もうすぐ、五月蝿く虫達が、騒ぎ立だす。

そんな、初夏の頃。

「よし、完璧!」

鏡の前で、私は言った。

鏡を見ると、小学生にも中学生にもみえる一人の浴衣姿の女の子がいた。

肌は、白く。

髪は黒い。

一言でいうと、日本人形。

これが私。

私は、今日、とても、緊張していた。

なぜなら、私は今日の、夏祭りに、幼なじみの、優斗(ゆうと)君に、告白をするという一大決心をしたからだ。

彼とは、ご近所で、幼稚園くらいからずっと、一緒だった。

彼は、私の人生で見てきた中で、一番格好よく、優しかった、オマケに、県大会に出場するほど、スポーツが上手かった。

だから、私が、彼を好きになるまで、そう時間はかからなかった。

しかし、私はお世辞にも、積極的とはいえなかった。

だから、この気持ちは、今の中学生三年生になるまで伝えられなかった。

さらに、彼は、他県の高校に、スポーツ推薦で進むことになった。

だから、私は勇気をだして、夏祭りにさそったのだ。

最後のチャンスに賭けて

自転車を、漕いで、夏祭り会場=神社まで行くときも、近づくにつれ、祭囃子が大きくなり、ますます緊張してきた。

神社につくと、優斗くんは、門に、もたれて待っていた、彼も、藍色の浴衣姿で、とても似合っていた。

「お待たせ。待った?」

と、私がいうと、

「別に。さぁ行こうよ。」

と、笑顔で答えてくれた。

それから、私達は、金魚掬いををしたり、綿飴を食べたり、紐引きをしたり、してると、花火が、始まるというアナウンスが流れた。

私達は、フランクフルトを頬張りながら、花火をみた。

「あの、優斗くん」

「何?」

「実は、ずっと昔から、す…」

バーン。

地面が揺れてるのかと思うぐらい、でかい花火が最後に打ち上げられた。

私は、そこで口をとじてしまった。

「何?」

「やっぱりいいや。」

「じゅあさ、裏山に、人気が少なくて蛍が見れる場所があるから行こ」

「うん。」

これが最後のチャンスだと思った。

私達は早速、自転車を飛ばして10分な裏山に向かった。

蛍が、いる場所は、結構山奥らしく、私達は、街頭の光さえ届かない道を、携帯の光で照らしながらしばらく歩くと、

淡い薄緑色の光が、茂みから、漏れだしてるのが、遠目にも分かった。

近くに古く小さい、神社?慰霊碑?みたいな建物があったので、そこで座って、蛍を見ることにした。

「綺麗だね」
と、私がいうと
「うん。」
と、彼は頷いた。

「あのさ、実はね」

「ん?」

「昔から、優斗君のことが、す…」

ゴーンと錆びた金属をたたき合わせた音が聞こえた。

「何だ?確かめてみようぜ。」

「なんか、怖いよ。」

「大丈夫だよ。」

彼は、目を輝かせて、音がするほうに向かった。

しょうがないか、彼は昔から、肝試しが好きだったもの。

ゴーン、ゴーン。

どんどん音はおおきくなってくる。

ゴーン、ゴーン。

すると、広い広場にでて、大きな木の近くに動く物が見えた。

近づくと、それは人影をしてるのが分かった。

ゴーン、ゴーン。

さらに、近づくと女の人だということが分かった。

ゴーン、ゴーン。

さらに近づくと、白い服をきて、頭に蝋燭を立てていることが分かった。

幽霊だ!

と、思って、彼に伝えようとして、振り向くと、彼はしっーといって、小声でいった。

「人間だよ。ほら足があるし。」

よく見てると確かにそうだ。

「うん。」

「あの女の人、丑の刻参りをしてる」

「なにそれ?」

「ほら、お前もテレビとかで見たことあるだろ。藁人形に釘を刺すやつ」

「えっ!」

見てみると、女の人は、右手に、金づちをを、左手に藁人形を持っていた。

「早く、逃げよう。」

珍しく、彼が焦っていた。

「なんで。人間なら害はないんじゃない?確かに不気味だけど」

「丑の刻参りはあるしてるところを人に見られたら、いけないんだ、呪いが自分に跳ね返るからね」

「もし、見られたら?」

「死」

私達は、息殺しながら、広場を行こうとしたら、茂みを分けてきたせいか、何処からきたのか解らなくなっていた。

だから、近くの茂みを、ゆっくりくぐり抜けると、






「どぉこぉいくぅのぉ?!」

!!!

あの女の人が目の前にいた、

私達は、跳ねるように走り出した。



何とか振り撒けたようだ。

そして、あの、神社のような場所でたどり着きそこでやり過ごすことにした。

物音が気付かれたらと、思っの行動だった。

「私達死ぬのかな?」

「大丈夫だよ」

「うん。でも心残りがあるのは嫌だから、いうね、ずっと好きでした。」

言い終わると、あの女の人が反対側から来ていた。

「私が、囮になるから逃げて」

そういうと私は、夢中で、飛び出していた。

「こっちだよ!」

女の人はこちらに気づき、追い掛けてきた、私は走り出した。

私は走った、彼が生きてくれればそれで良かった。

ひたすら走ると、やがて、女の人の、足音が聞こえないことに気付いた、

まさかと、思い、引き返すと

女の人が倒れていた。

「全く、無茶しやがって。」

声のするほうをむくと、優斗が、木の棒を持って立っていた。

「これしたの、優斗?」

彼は頷くと、私をぎゅうっと抱きしめた。

「!」

「どれだけ、心配したと思ってるんだ!」

「ゴメン」

「あのな、さっき、由香が言った事、嬉しかった。」

「じゃあ」

「うん。付き合ってくれるか?俺と?」

「うん。うん。」


「だから、あの時は心配したんだぞ、お前がいなくなったら俺は誰を頼りに生きて行けばいいんだ?お前がいなくなったら誰と蛍を見に行けばいいんだ?お前がいなくなったら誰を好きになったらいいんだ。」

「ごめん」


私達は、女の人の金づちを、近くの池にすてて、二人で手を繋いで、帰った。


翌日、女の人は、逮捕された。

藁人形はなかったという。

呪いをかけられていたのは貴方かも知れない。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

祭囃子の聞こえるあの場所で……

やふぶろでかいてるのんもってきました。
初投稿の短編小説です

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閲覧数:178

投稿日:2010/10/16 14:51:37

文字数:2,520文字

カテゴリ:小説

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