「ワタシ、ちょっと“オカルト”っぽいことが好きで、いろいろ想像しちゃうんだけど」

レイムさんは、作っていた粘土の小物を置いて、言った。

「この部屋で、デフォ子さんが“爆発”事故を起こしたときに、不思議な作用が起きたのかもしれない」

「不思議な?」
マコさんが聞いた。
「どんな、不思議なことです?」

聞いていたぱみゅちゃんは、首をかしげながらも、ちょっと可笑しくなった。

「不思議っていえば、デフォ子さんの存在自体、ちょいと不思議だけどネ」


●はっちゅーねの感想が聞きたいなあ

レイムさんは、続ける。

「デフォ子さんの“はっちゅーね”は、このニコビレのこの作業室で生まれたんですよね」
「うん」
「だから、ここが、はっちゅーねの“ホーム”といえます」

「うん、そうだね」
聞いている2人はうなずく。

「はっちゅーねを作っているときに、彼女が、たくさんの人に好かれる人形になって欲しいと思っていたとします」
レイムさんは、目の前にある粘土のアクセサリーを、手でもてあそびながら言った。
「で、いろんな意見が聞きたいな、と思っているでしょ」

「うん」
「そのとき、作業のミスで爆発が起きて…」


●はっちゅーねは、モバイル?

「それで、はっちゅーねに命が吹き込まれた、ちゅうこと?」
マコさんは、ほおづえをつきながら聞いた。

「ううん、すぐそうなったワケではなくて」
レイムさんは、部屋の壁の穴の方を見つめながら言った。

「はっちゅーね人形と、そのホームであるここ、ニコビレの間に、“道”ができたんじゃないかしら」

「道…」
ぱみゅちゃんが、つぶやいた。

「パソコン本体と、モバイルみたいなものかなぁ?」(・_・o)ン?

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玩具屋カイくんの販売日誌(155) レイムさんの推理

いつだっかか「不思議、大好き」というCMがありましたが、さりげない不思議はいろいろありますね!

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投稿日:2012/05/27 11:52:30

文字数:727文字

カテゴリ:小説

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