注意!!

この小説は百合物です。(ルカミク?)
以前書いた「magnet(磁石)ヨーツベPV勝手に解釈」の番外編、ルカ視点になります。
現時点で最後まで書き上がってない上に、かなり長編になりそうな小説です。

正直続くか分かんないw

それでも許してやるよ、って方はどうぞ下へお進みください。

無理無理って方はバックプリーズです。


一応前置き。
この小説は流星(minato)P様の「magnet」、それをPVにされたsyllogysm
様の動画を勝手に解釈して書いた作品です。

















ホントは気付いていたんだ。いつまでもこの幸せが続く訳が無いと。
いつか私達はそれぞれの道を歩み出すだろう。
私にも、勿論ミクにも、時間は無い。
告げなくては、高校を卒業すれば一緒に居られなくなる事を。
でも、ただ別れてしまうのは絶対に嫌だ。
何かを残したい。私達の出会った証を、私達が共に過ごした時間を形にしたい。





ミクと共に過ごした日々、思い出を形に残そう。





「神威、ちょっと相談があるのだけど・・・」
急遽自習に変わった授業時間。監督教師が居ないのを良い事に始業から早々にクラスは騒ぎ立っていた。
とても高校3年生とは思えない所業だ・・・
「おぉ、巡音。どうした?」
同じクラスの神威は手先が器用だと一部の者から聞いた。
演劇関係の衣装も作っているとか・・・
将来は服飾デザイナーを目指してるとか・・・
「頼みたい事があるのよ」
私は自分の計画を伝えた。一晩考えた計画。
「曲に合わせた衣装と・・・ヘッドフォン?何か音楽関係のイベントでも出るのか?」
神威は手元のノートにサラサラと服のデザインを描いていく。
「仔細は話せないのよ。話さないと作れない?」
「いや、構わん。女子は秘め事多き生き物だしな」
目を瞑りシャーペンのノック部分をを顎に当てる。
「神威は偶に古臭い日本語使うわよね」
苦笑しながら言う私の顔を片目だけ開けた神威がチラりと見てきた。
「古臭いって言うなよ。古き良き日本だぜ」
少しムキになる神威が面白かった。
「で?そのメインの曲と歌詞は出来てるのか?イメージだけでも構わんが」
「簡単な物なら出来てるわ」
mp3プレイヤーから伸びるイヤホンと手書きの歌詞を神威に渡し、聞かせた。
「なるほどね。良いじゃないか。これを巡音と・・・え~っと初音?だっけ、中等部の」
「そう、初音さんよ」
聞き終わった神威はニヤリと笑ってイヤホンを返してきた。
「二人で歌いたい訳だ・・・ふむ」
「作ってくれない?報酬ならそれなりに・・・」
「良いぜ。作ってやるよ。久し振りに遣り甲斐がありそうな仕事だ」
それから授業終了のチャイムが鳴り響くまで私達は話し合い契約は成立した。


衣装もヘッドフォンもこれで何とかなる。
後はミクにいつ伝えるか・・・
完成してからが良いだろう、それまでは内緒にしておこう。



休日はミクと共に私の部屋で過ごす。
勿論、基本的には学校の後もミクは私の部屋に来てくれた。
買い物などに出掛ける事もあったが、部屋に居る事を望む方が多かった。

「ルカちゃん」
「なぁに?」
私に跨り、見下ろしてくるミクの頬に手を添えながら微笑む。
「最近、足りないんだ・・・ルカちゃんが」
「ミク・・・」
嗚呼、私だって足りない、足りない。
全然足りないよ、ミク。もっと貴女が欲しい。
「好き、大好き、ホントに好きなの・・・ルカちゃんが」
そっとミクを倒さないように上体を起こすと抱き締めた。
「私も大好きよ。言葉で言い表せないくらい・・・ミクが好き」

「ねぇルカちゃん、私だけの傍に居てね?」
「当たり前じゃない。貴女は私の半身だもの」
思わずそう答えて胸が締め付けられるように苦しくなった。


このままずっと一緒に居たい、でもそれは許されない。
私の心を焦がし続ける炎が痛くて仕方ない。
愛しい、愛しいよ。ホントに離れたくない・・・
ミク・・・

「んっ・・・」
触れ合う唇から伝わる彼女の体温が、彼女の存在の確かさを伝えてくれる。
ゆっくりと舌を絡ませる。
ミクは少し驚いたようにビクりと身体を痙攣させたけど、拒まずに受け入れてくれた。
「んっ・・・ふっ・・・ふぅ・・・」
ミクの口から零れる音が耳を撫でて気持ちいい。



「はぁっ・・・・」
唇を離して目を開けると少し苦しそうに目を潤ませたミクと目が合った。
「・・・びっくりしたよ」
「嫌だった?」
ミクの目尻に溜まった涙を指先で拭い取って問い掛ける。
「・・・嫌な訳・・・ないでしょ」
自分の顔なのに制御が効かず頬が緩んでしまう。
「ダメね」
ホントに・・・
「何が?私何かいけない事・・・」
「ミクじゃないわ、私よ。どんどん貴女に惹かれていく。もっと貴女が欲しくなる。もっと束縛したい、束縛されたい。いけない事だと分かっているのに・・・それでも気持ちに嘘は吐けないものね」
ホントにダメだ。何をしても、残しても、きっとこれからの空虚には耐えられそうに無い。

でも、今だけはこの感情に溺れていて良いよね?
答えなんぞ返ってくる筈無いのに自分自身に問い掛けてしまった。






しかし、事件は起こる。
望んだ方向には決して動いてくれない。
それが私にはとても辛く、悲しかった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

magnet(磁石)PV勝手に解釈【番外編】~3~

お久し振りです、倉人です。
かなり時間が空いてしまいましたが覚えて頂けてるでしょうか?

何とか続きを書いて1話分書き溜める事が出来たので上げてみました。


夢と現。
夢は希望、現は叶わぬ現実。

大好きな人といずれは違う道へ進まなくてはいけないという、このままでは居られないという現実。
ジレンマですね、多分。
恋愛に限らず、人との出会いは別れも伴います。
いつまでも一緒に居たいと願えば願うほど、何故か時間は早く過ぎ去って行ってしまう。

でも、きっとその分残っている筈なんです。
物だけでなく、気持ちや色々な事が・・・
それに気付いて大事に出来る人間で居たいものですね。

なんて、偉そうだな、私^^;

また書き溜めて上げようと思います。
遅筆ではありますが、どうか最後まで御付き合い頂けますと幸いです。

閲覧数:6,260

投稿日:2009/10/01 18:59:19

文字数:2,206文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました