正午 高架下 君は空を見ていた
降り続いた雨の匂いが 鼻先を少しくすぐった
そうだ こんな日は思い出話をしようか
春先の陽の光に揺らいでる君がいた
吐いた息がまた 隙間を白く濁して
花冷えの心に浮かんだ さよならの言葉を憶った
ずっと 君の影 宛もなく探していた
こんな街で出会えるはずないのに
愛した理由も忘れてしまえば
拭い去れない後悔も美しかったはずの過去に変わる
今 遥か遠くへ遠くへ行けと
頭の中で叫んでるんだ
雨を散らす音よ風に凪いで往け
酷い嵐も 掻き消すほどの
迅さで今日を越えていく
春を待つ
いつか夢に見た憧れはとうに去って
上手な転び方を知った
泣いた振りでまた誤魔化した
街を歩く度 笑われているような気がした
顔の無い誰かをいつも恐れている
正しさなんてどうでもよかった
孤独なら全部慣れてしまえた
ありふれた日々に君を描いて
過去になる君が足を縛っている
そうなんだ さよならだけが人生だ
あの日の夕暮れを覚えている
今 この手をすり抜けてゆく風が
瞼を濡らしていく雨が
「いかないで」と声が宙に舞っていく
明日の轍が 胸の痛みが
まだ君を覚えてる
今 遥か遠くへ遠くへ行けと
届けと喉が叫んでるんだ
晴れを願う歌よ君へ飛んで往け
この日々の先に意味が無くとも
この歌を紡いでいく
それだけを想っている
愛を歌って
春を待つ
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2025/09/05 23:07:54