1
小さな 小人が
笑いながら言ったんだ
「これはむかしむかしのお話」
さえずり 聞こえる
この大きな水辺に
昔は人魚も魚も河童だって
一緒にいたんだよ
水は唄い風は奏で
僕たちだってうたうたう
前に人魚が言ってた
「この世界は童話の世界」
それなら楽しいお話
僕らで作ろう!
きらめく星は歌が好き
目立ちたがりやで一人がきらい
かがやく月は歌が好き
ひとりでゆっくり聴くんだよ
水面に跳ねる雫たち
歌よりダンスを魅せたげる!
風になびく花たちも
彩りを添えて揺れている
あぁここは童話の世界
どんなものでも意思がある
月や花や虫や星も!
みなみんな物語が大好きさ
2
水面で かがやく
人魚の歌がこだまする
さぁみんな 集まって
綺麗な人魚のリサイタル
みんなうっとり肘をつき
綺麗な人魚を見つめてる
「あぁこの素敵な話(とき)が
ずっと続けばいいのにな」
ある日空が暗くなり
人魚も魚も水に潜ったあれは一体なんだろう
風が止まって草木が枯れて星が隠れて月が消えた
僕らは急に訪れたこれを
<忘れられた日>と呼んだんだ
空がパズルみたいにパラパラ降って此処から空が無くなった
訳もわからず見ていたら物知りの人魚がこう呟いた
「ヒトが童話を忘れたんだわ」
あぁここは童話の世界
どんなものでも意思がある
でも忘れ去られたら最後
心も世界も消えるんだ
あぁここは童話の世界
あぁここは童話の世界
あぁここは童話の世界
話が終われば世界も終わる
小さな 小人が
悲しそうに言ったんだ
「これはむかしむかしのお話」
「むかしむかしの
忘れ去られた童話の歌だよ」
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