絵の描(えが)き方を 知っていたつもりで
筆でなぜた小さなそれは 線にすぎなかった
空の飛び方を 知っていたつもりで
背中にあると思っていた翼は 透明だった
そうして思ったんだ
この世は見えないものばかりだと、
目に映らないと信じられないのが 人(いきもの)だと、
思ったんだ。
輝いて見えたものは何だった?
この手で握りしめたのは何だった?
思い出せなくなって 僕は
縋るようにして天(そら)を仰ぐ
君が今、見たくて、
――見えなくて。
もう一度自分を問い詰めてみたら
ボンヤリ浮かんできたのがきっと「それ」で
溢れかえった嘘(にせもの)の中の、たったひとつの真実(ほんもの)を
まだ僕は持っていたんだ、この手に
見えてなかった君を、
――見つけた。
輝いて見えたものは君だった
この手に眠っていたのが君だった
絵の描き方を思い出した
背中の翼が鏡に映った
僕が今、会いたくて、
君に今、会いたくて、
未来へ、飛び立つ
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