「ぶっ…くくくくっ…!そ…其処は姫抱っこじゃね?翡翠。」
「い…良いから…て…手伝って下さい…啓輔さん…。」

眠りこけてしまったリヌを背負い、ゼーゼー息を切らして、髪も服もボロボロで翡翠が帰って来た。自分の家に帰らず俺のマンション迄わざわざ連れて来る辺り、律儀なのか馬鹿なのか…。翡翠はソファにリヌを降ろすとよろめきながら戻って来た。

「はい、水。お疲れさん。」
「すみません…ぶへっ?!こ、これ…な…ゲッホ!!ゲホゲホ!!」
「ウォッカ。」
「普通に水を下さいよ!!飲めないの知ってるでしょう!!子供みたいな悪戯しないで下さい!!」

こんなに面白い物それこそ録画でもしてやりたいが、まぁ流石に止めて置くか。

「どうだった?姫を助ける王子様の気分は。」
「んなっ?!…だだだ、誰が王子ですか!俺は命令に従っただけで…!!」
「俺?」
「いえ…私は…その…ゴホン!…私は命令に従ったまでですよ。」
「じゃああの子俺が貰っても良い?」
「だあああああああああああっ…!!」

えーとデジカメ何処へやったかな?確かこの前使ってこの辺に…。無い…チッ…!

「つか、お前汚ぇよ!服貸してやるから風呂入れ!風呂!砂だらけでうろつくな!」
「は、はい!…あ…でも…。」
「手なんか出さねぇから入って来い!」

遠慮がちに翡翠はバスルームへ向かった。俺は一体どう言う目で見られてるんだろうか、ちょっと気になるな。それにしても…いつも冷静な翡翠があんなに取り乱して、らしくない程ボロボロになって、たった一人の子を助ける為に必死になって…やっと人間らしくなったみたいだな。

「う~~~??あれ??」
「おはよう。」
「きにゃああああああああああああああああああああ!!!」
「ちょっ…?!」
「リヌ?!」
「あ。」
「……。」
「………………………。」
「きにゃああああああああああああああああああああ!!!」
「す、すみません!!すみません!!」

デジカメ!畜生デジカメは何処だ!!ああ、もう肝心な時に!!

「…どうも失礼しました…お見苦しい物を…。」
「あ、いえ、見苦しいかどうかも私よく判んな…あああ、そうじゃなくて…!」
「さーてコンビニ行って来…。」
「「待って!」」
「ま、今日は2人共泊まってけ。」

面白いから!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

BeastSyndrome -42.デジカメは何処だ!!-

肝心な時に見付からない。

※次ページはネタバレ用の為今は見ない事をオススメします。

閲覧数:300

投稿日:2010/06/13 11:46:44

文字数:963文字

カテゴリ:小説

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  • 遊羅@右肩逝きかけ

    遊羅@右肩逝きかけ

    ご意見・ご感想

    愛されてるなぁ…ひーたん……www
    かわゆいのぉwww
    デジカメ……写真撮ったらください←

    2010/06/13 11:51:14

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