水槽の水を空にして眺めてみても
底に居るのは生きる術を失くした魚
それでも僕の瞳よりは澄んでいた
電灯の熱に手をあて暖めてみても
指をくるむは機械式で無欲な明かり
それでも僕の泪は乾いてく
せめて最後の夢を囁きましょう
あんなに熱い 醒めない愛を
繋ぎ止めてくれた貴女のその胸に
誰が為の警笛鳴るか はたまた虚無の巡る運命か
烏滸がましくも意図して数多に捧げよう
天窓の枠を悪として睨んでみても
何時の日にかは惜しくも還らされる生命
それでも人は永久に流されてく
どうか最期の刻まで掴んでいて
注がれる侭 溢れる愛を
拒む腕など切り落としてその斧で
泡沫の魂が今 彷徨い逝くは暗い漆黒
慌ただしくも危惧して終と似つかわそう
祭壇は奇しくも伝えに準え大罪の仔羊を蝕む
誰が為の警笛鳴るか はたまた虚無の巡る運命か
烏滸がましくも意図して数多に捧げよう
この身を 贄として
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