磨りガラスの球体の様に曇る笑顔
焦げる様な工場の廃棄煙
夕陽と尖る鉄塔
何処からか流れ着いた手紙入りの瓶
それには「5月10日に雨降り街にて待つ」
見覚えのある筆跡、その謎
手紙を小さなポケットにしまい、帰路に着く
5月10日、その日は訪れた
雨の匂いがどこか懐かしい
バス、電車に乗り3時間50分
来たことのない街
手紙を持ち歩くと後ろから声がした
振り向くとそこには懐かしい幼馴染
「手紙を見たのが君でよかった」
そう言いながら昔を思い出すような顔をする
歩き出す
街には喫茶店、綺麗な菓子屋、夢のつまった玩具店
気づくと時刻はもう7時
「もう帰らなきゃ」
そう言うと君はさみしそうな顔をする
連絡先を交換し「また会おう」と約束する
駅に向かい、電車、バスに乗り帰る
家に着きすぐにメールをする
「いつ会おうか?」
そう打って眠りにつく
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