ヒビヤがやってきて、もう一週間がたとうとしていた。
ここは、メカクシ団のアジトらしい。だが、ここまでは目隠しされて連れてこられたのであまりよく覚えていない。
ヒビヤが思い出すのは――あの繰り返しの八月十五日のみ。
「やあ、ヒビヤくん。調子はどうだい?」
ノックをして入ってきたのはキドだった。キドは珍しく笑っていた。その風景をヒビヤはなんだか珍しげに眺めていた。
彼女は今まで、笑うことはなかった。だからこそ、彼女の笑顔がなんだか変に見えるのだ。
「……調子は特に」
「そうか。ところで……いろいろ整理はついたか?」
「……はい?」
ヒビヤが尋ねる隙も与えられず、キドは何かを差し出す。
それはグレーのパーカーとiPodだった。
「これは……?」
「メカクシ団の証だ」
「メカクシ団っていったいなんなんですか」
「この世界を創ったカミとやらに喧嘩を売ることを目的としている」
「何を言ってるかさっぱり」
ヒビヤが思うこともなく。
「いいから、着ろ。作戦会議は十分後に開始するからそのつもりで」
そう言ってキドは部屋を後にした。
残されたのはヒビヤと、パーカーだった。
*
そして。
とある研究所にキド、ヒビヤを含むメカクシ団員はいた。
「いいか? 作戦通りに決行しろよ? “彼”を……救うんだ。分かったな?」
キドの言葉に全員が頷く。ヒビヤも同じだ。
さて、とヒビヤはぐるりと見渡してみる。そこにいるのはクリーム色の服を着たメイドっぽい格好の女の子や、もうひとり女の子がいたりする。
「メカクシ団は女性人口の方が高いみたいだな」
「そりゃそうさ。女尊男卑とは言わないが、女性は多いし、団長が女性ってのもあるけどね。男共は雑用とかめんどくさげな仕事がほとんどかな」
「うげえ。なんてブラック」
「慣れればどうってことないよ?」
「すごいなー調教もしちゃう系かー」
「……つべこべ言うとマリーに石化を命令するぞ?」
「ごめんなさい」
そんなコントにも近いやりとりをして、キドは息を吸う。
「さあ、任務開始だ」
カゲロウプロジェクト 05話【自己解釈?】
第五話。今回から『目を隠す話』相当分。キドの目的とか、わかるんじゃないですか。というかこれ自己解釈じゃなくて二次創作じゃね・・・?
―この小説について―
この小説は以下の曲を原作としています。
カゲロウプロジェクト……http://www.nicovideo.jp/mylist/30497131
原作:じん(自然の敵P)様
『人造エネミー』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm13628080
『メカクシコード』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm14595248
『カゲロウデイズ』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm15751190
『ヘッドフォンアクター』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16429826
『想像フォレスト』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16846374
『コノハの世界事情』:http://www.nicovideo.jp/watch/sm17397763
『エネの電脳紀行』
『透明アンサー』
ほか
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