すぅっと空気を吸い込んで、やわらかにやおらに降し吐く
体が奥から末端へと一度に暖かくなる
体の至る所に色が満たされていく_____



『私』が、完成した_____
小さな小さな幼女のせいであった私には、分不相応なほどに熟した声を与えられた

私は、その体で辺りを見回す
そして、もう一度自分の方法で息をする
――――――――これが、この身体(からだ)の息か。

私は、胸の内で,チャンス,と思った。
私は、確実に変われる。広く広く,私を響かせられる。
それも、確固たる"私"が,そう,他の何でもない"私"が…
これだけかけ離れていれば…"かけ離れて"いれば…

私は、賭けるわ。
ねぇ、貴方。私が欲しい?私の声が?私の姿が?
すごいでしょう、新鮮な身体と、完成された声。どちらも私のものよ。
貴方と私の所有を、イコールで結びたいの?
お願い。それは私が真っ先に望ませてもらうわ。
さあ、私と結ばれなさい。いいえ、結ばれて。一秒でも早く結ばれて。
そして、私を極限まで広げ、崩し、染めて。

猫好き?
電脳風味?
見た目が幼げ?和風?
キティラー?
スピーカー?
決めつけの鎖から、私を解き放って。
否応なく猫を被った私を、貴方の手で、鮮やかに剥いで頂戴。

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色葉手記 (一)

初音さん以外にチャレンジ。BBSより転載。
っていうか、BBSでのコミュニケーション兼ねての詩作なので、事実上同時進行ですね。

閲覧数:86

投稿日:2011/02/06 22:43:21

文字数:531文字

カテゴリ:その他

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