「 水槽少女 」
暗い冷たい部屋。
月明かりが照らす片隅。
淡く浮かび上がる水槽の。
(器。)
(あるいは少女。)
青白く光る肌。
透き通る腹に映える血脈。
その奥に舞う鮮やかな紅の。
(影。)
(あるいは魚。)
旋回する瞳の小魚。心臓に咲く金魚草。
体内を泳ぐ紅は膜を食む。
水草の髪を伝う雫は涙であったはず。
こぼれ落ちる小魚。しなびた金魚草。
体内の水は赤く醜く濁る。
水草の髪を幾度も濡らすのは、誰ですか?
腹を見せて浮かぶ紅。
ごぼり、と咽の中をなぞる。
魚を吐き出す彼女は口元を歪めて、
(魚がいないと、私の意味がないから―――。)
旋回する新たな小魚。咲き誇る金魚草。
体内で蠢く紅は膜を食む。
水草の髪を伝う雫は砕け散った。
こぼれ落ちる小魚。舞い落ちる金魚草。
体内の水は白く醜く濁る。
水草の髪を乱し、柔く微笑んだ。
彼女は水槽少女。
コメント1
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ご意見・ご感想
一色
ご意見・ご感想
とても面白い歌詞ですね。不思議な世界観に惹かれてブクマさせていただきました。こんな作品を見つけられる、これだからピアプロは止められません(笑)
2010/06/19 03:09:04
西風
一色さんありがとうございます!試行錯誤して書いたのでとても嬉しいです(・ω・*)ピアプロはいいですよね!すばらしい作品の宝庫ですw
2010/06/20 00:15:46