僕には言葉の形が見える
あなたには空気の色が見える
「僕は本当はこんな絵が描きたかった」
僕の口を不意に滑る
あなたがそっと筆を留める
思い出はガラスの破片みたいだ

海岸、坂道、雑木林
振り向くのは月夜の帰り道
あなたの描いた景色を探して歩いている

いつか六尺の世界が零れ落ちて
絵の具が滲むようにぼけて
そしたらあなたが何処からか
笑ってこう言うんだ
「ここは昔描いた絵の中なんだよ」って
何度でも描き直しましょう、って
僕はようやく気がつく
あなたのその筆先を見る
僕はようやく僕を見る
あなたを神様だと思う

あなたの筆が人波に溶ける
池に跳ねて消える雨のように
僕は見失う
あなたの絵が分からなくなる
僕の言葉だけが澱む
あなたの空気だけが澄んでいる
記憶がそこだけ割れたみたいだ

いつか降り注ぐ雨さえもなくなって
瞳が滲むより乾いて
そのときあなたはどうしているだろう
笑っているだろうか
描きたいものはまだあるだろうか
何も忘れていられるだろうか
僕はそれだけを思う
あなたは神様ではないから

目に映る景色全部がぼんやり思い出に見えます
記憶の摂取上限を超えてしまったようです
あなたが顔を描かなかった僕は今日も歌います
思い出を揺らします

あなたのその筆の温度で
どうか一度だけでいい
ひとつだけでいいから、心を描いて

そして六尺の世界は崩れ落ちて
絵の具が雨のように跳ねて
見えないあなたが何処からか
笑ってこう言うんだ
「ここは昔描いた絵の中なんだよ」って
それ以上なにも言わなくていいから
僕の指先が透ける
あなたのその筆先を祝う
僕は少し眠くなる
あなたという人間を観る

いつか、あなたにも夜が来る
行く先を月が見守っている
分からずに空を観る
大人になったあなたに僕は
笑って言うんだ
「あれは昔、神様が描いた月なんだよ」って

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

夕顔

https://www.nicovideo.jp/watch/sm44674975
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閲覧数:182

投稿日:2025/02/21 20:36:32

文字数:782文字

カテゴリ:歌詞

  • コメント1

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  • 専属作曲家様大募集中 * sari

    こんばんは*♪
    とても綺麗な歌で、
    聴き入ってしまいました✳︎

    硝子の画用紙に、
    月の絵を描いているような、
    そんな歌だと思いました⑅◡̈*

    神様と言ってもらえた相手は、
    きっと永遠にその言葉に
    生かされたのだと思いました♡*̣̥

    言葉の描き方が素晴らしいです₍ᐢ⸝⸝› ̫ ‹⸝⸝ᐢ₎
    久しぶりに、言葉で感動させて頂きました>人<*
    素敵な歌を、ありがとうございます✳︎

    2025/02/21 21:00:16

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