「鍵かけ忘れか? 芸能人にしては随分無用心だな……」
レンは家の中に足を踏み入れた。誰もいない他人の家というのは、なまじ生活感が伝わってくる分不気味だ。隣家の生活音に対して家の中が全くの無音という状態が、まるで家の中だけが異次元であるような錯覚さえ起こさせる。
「あら? 何かメモがあるみたいよ」
リンが勝手に玄関から奥に踏み込み、机の上に置かれた紙を手に取る。玄関から先へあがることはためらわれたが、仕方なくレンとピコも後に続く。
「まさか遺書とか?」
「何でマネジャー殺されてミク先輩まで死なないといけないんだよ」
「痴情のもつれとか……?」
「はいはい、不吉な話はやめやめ!」
リンが二人に割って入る。
「それより、この暗号について考えましょうよ」
リンは机の上にあった紙をパタパタと振った。リンがいるダイニングキッチンの奥の方では、食器棚の陰になって外の光が差し込まないのではっきりとは見えないが、どうやら何かが水色の絵の具で書かれているらしい。
「暗号!?」
レンが真っ先に食いついた。推理といえば暗号、暗号といえば推理。やっぱり推理小説好きの血が騒いでしまう。
「よくわからないけど、これ、そのままじゃ読めないからやっぱり暗号でしょ?」
レンは紙をよく見るためにキッチンの電気をつけた。あわてて書いたのだろうか、歪な書体で書かれた「L Ch T N N」の文字が見える。確かに意味が通らない。
「なるほど……」
推理らしくなってきたな、と、レンは目を輝かせた。
そう、実際に現場に行って死体を見たわけではないレンにはまだ自覚が足りなかったのかもしれない。この事件が現実の事件だという自覚が。
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-----------...ネバーランドから帰ったウェンディが気づいたこと【歌詞】

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