硝子の刻を想おう
文字盤は消して
命を賭せば胎動
また一秒,ねえ一秒

蛹の過程を忘れた蝶は
翅を裁ち縫いで繋ぐ
音も無く組み変わる世界は
仕様を変えて君を失くしていた

砂礫の上に咲いては枯れて
イチゼロじゃ許容出来ない

篠突く雨のケイデンス 息を潜め這い寄る
時を呪う言葉で解れた縫い目を隠す
傷は消せるから 喉元の痛み飲み干して
不正解なリアル壊すだけの
この命の代価-イコール-を教えて

辛くもまだ生ける運命だ
昨日を知らない明日の形は歪
揺れ靡く秤動 見蕩れる瞬間に操作
容易く想い人を失った

寒がりなくせにはぐれてばかりね
暮れるだけの過去じゃ要らない

醒める眼が永遠の震懾を撒い熾す
夢々沈む丑三ツに
邪気なラテンドールが十六夜う
果て扨如何しようか
無何有心が何を病む？
秤に細工のされた
この悪戯な仕掛けの中で

水彩で描いた童話の世界じゃ
涙の跡も拭えないだろ

頑なな胸の巌に眠る
夢の裂け目から現世を焦がす

篠突く雨のケイデンス 息を潜め這い寄る
時を呪う言葉で解れた縫い目を隠す
傷は消せるから
喉元の痛み飲み干して
不正解なリアルを捨てたなら
その瞳の事実-イコール-を答えよう

向かう風なら追い越して
地上に空を墜として
掛ケ引キ 命に繋いだ
此処が常盤の心臓