『狐のかんざし』
触れて 揺れて 夕暮れ時
攫われたのは誰
階(きざはし)に一歩進んで 暗がり 怖がり
彼の子(あのこ)は何処だと耳を済まして 人形遊び 笑う声 消えていった
石灯篭並ぶその先にふわり そっとひとつひとつ掬う小さなその雄叫び
後ろ指差した籠の中には 綺麗に縫われた「きっと幸せになれるはず」
触れて 揺れて 夕暮れ時 攫われたのは誰
落ちて しとり 花開いた 水引き際に映る夢
舞い落ちゆく線香花火 夜空に昇っていく
彼方此方(あちらこちら) 響き渡り 嗚呼 晴れたので然様なら
しとしとと さめざめに見せ 誤魔化す道中
ぽかんと口開け疑問を呈した 紅の色 愛さがれたがりで
そよぐ情景に差し伸べた視線 軽く掻き回した欠片 いつかの子守唄
欲しかったものは遠く遠くへ散って ぽつり残された「そんな不幸など要らないわ」
言わず 知らず 置いてけ堀 狂い咲いた調べ
沈み 浮かび 泡に代わり 金魚鉢から染みた鼓動
ひらりひらり揃う影が静かに離れていく
見渡しても見付からない もう雨が止んだみたいだ
此処で何時迄も 見初めて(みそめて) この身を焼く程の手軽さで
何度 何度でも 数えよう 正解なんて無いけれど
さぁ選びましょう 纏うか染まるか
待ち焦がれたのは空の向こう
触れて 揺れて 夕暮れ時 攫われたのは誰
落ちて しとり 花開いた 水引き際に映る夢
舞い落ちゆく線香花火 夜空に昇っていく
彼方此方(あちらこちら) 響き渡り 嗚呼 晴れたので然様なら
ひとつ ひとつ 掬う 叫び
きらり きらり 願う 何か
回る 回る 子守 歌は
ぽつり ぽつり 消えて そして
『狐花』(きつねばな)
(投稿中)
「https://piapro.jp/t/LzgD」
タイトルは彼岸花の呼称の一つから
童謡と狐の嫁入りのイメージで作詞
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