仇なす神の御身(み)を汚す漆黒の雨
その光景に奈落で踊る人形は絶望を祝った
幾重に重なる蜘蛛の糸は私の身体を縛り付け
私もただの人形と成り果てた
今宵、黒い宴の幕は開かれる…
個(わたし)を滅する仮面(ペルソナ)
耳元で囁く 奇形の言葉
「囚われた蝶の末路は…」
独裁者(あなた)は縋ることを許さなかった
闇月夜に揺らぐ君は美しく
煉獄の檻 抜け出せぬ快楽(けらく)
生へと至る 偽りの行為
愚かな民は 嬌声をあげて
背徳キネマ 灰と化すまで踊ろう
蜘蛛の糸は私を操り音色を奏でさせた
交響は空高く昇り、地へ深く堕ち、世界を包む
楽団(サーカス)はどこまでも進んでゆく…
個(わたし)を顕す主題(モチーフ)
耳元で残響は 鳴り止まず
「食される蝶の末路は…」
煽動者(あなた)は止まることを許しはしない
闇月夜に揺らぐ君は美しく
病み憑き 世に揺らぐ 君はもう動かない
泥濘(でいねい)の澱 抜け出せぬ苦海
鏡合わせの 華咲かす病
「死することは、眠りとともに」
白黒(モノクロ)キネマ 灰溶かすまで踊ろう
日が昇る頃、漆黒の雨は止み、幕は閉じられる
糸を断ち切られた人形(わたし)は個(わたし)に戻り
他の人形も全て地へと臥す
また、次の宵闇が迫るとき、個は人形となるだろう
今宵、君のもとにも招待状が…
ネクロサァカス
同人サークル「輪音画廊」M3-2011秋頒布『彩綴』収録
輪音画廊HP:http://blog.livedoor.jp/rinne_garou/
「死の舞踏」がテーマなんですが
あんまり重すぎるのも嫌なんで言葉遊びをしたり
滑稽な感じで書いてみました。
無慈悲な大量死の前に悲劇は喜劇に反転する、そんなアイロニーを含ませつつ。
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