朝が、きた。
モルモットの1日の始まり。

「ジェシカ…寒いの…?」

僕が起きるとジェシカがガタガタ震えていた。

「違うの…実験が…薬が…」

ジェシカが吐く言葉は曖昧で、上手く説明が出来ないようだ。

僕より先に起きていたメアリーによると、ジェシカは朝早くに起こされ、また薬の実験体にされたらしい。

「メアリー、GUMI…」

僕とメアリーを呼ぶジェシカの目は虚ろで、何かを怖がっているよう。

「ジェシカ、大丈夫、大丈夫だよ…」

メアリーはジェシカのそばに寄って、安心させるように温かい言葉をかける。

僕はジェシカに毛布をかけた。
いつもよりもひどい副作用。

しばらくするとジェシカの震えは収まり、いつもの陽気なジェシカに戻った。よかった…。


昼頃にはメアリーが注射を打たされそうになった。

あの子は注射が大嫌いなのに。

怖がるメアリーの前に立ち、代わりに僕に注射を打つように頼んだ。



この部屋の扉の外には自由には出られない。
たまに実験で外に出され、別の実験室に連れて行かれる。
まるで24時間閉鎖空間。

今日も無機質な時計の音が部屋に響く。


《モルモットと神様‐モルモット2‐》


おやつの後には、いつも3人で絵本を読む。

今日の絵本は僕らみたいな内容だった。
神様がどん底におちた人間を救う話。

その絵本を読んだ後にジェシカがこう言った。

「きっと私達もこの絵本みたいに神様が助けに来てくれるよね!」

希望に満ちた目。
彼女の目はきらきらと輝いていて、とても綺麗だった。

僕はそれに微笑んだ。言葉では肯定出来ない。


『僕らは人間じゃなくてモルモットだから無理だよ』

僕らは実験体。人間ではない。

なんてね、彼女たちには言えない。


夕方ごろに僕ら3人は何度目かわからない効果も用途も知らない薬を飲まされた。

「いーよいいよ…」

薬の拒絶反応による鼻血で血だらけの自分のぼろぼろTシャツを見てそう呟いた。

…真っ赤なお花みたい。
そうも思った。

「Tシャツ、着替えよう」

ジェシカもメアリーもその意見に肯定し、棚にあった白いTシャツに着替えていると視線を感じた。

「……」

ガラス越しに研究者たちが僕らを無言で観察していた。

その蔑んだ目をすっと見た。


僕はどんな目で見られてもいい。

でも、

メアリーとジェシカを、

そんな目で、見るな。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

モルモットと神様‐モルモット2‐

モルモル第二話。(ばばーん!
GU3さんかっこよすぎてもうなんか…ウォォォォ

次はモルモルSide完結に向けて超☆展☆開
ME1ちゃん注射嫌いとかかわいい。

ってか1日に二回投稿って何ヵ月ぶりだ…?
久しぶりな気がする。

JE4ちゃんが薬漬けな件()
JE4ちゃんすまぬ…orz

GU3さんかっこよすぎる本家様↓
モルモットと傭兵(モルモル)
http://sp.nicovideo.jp/watch/sm17765900

泥棒と警備員(神様)
http://sp.nicovideo.jp/watch/sm18122648

神様かっけえ!!神様イェイ!!!

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閲覧数:401

投稿日:2012/08/11 18:20:03

文字数:1,015文字

カテゴリ:小説

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