少し下品なくらい派手なピンクのタイツの少女が目に入る。細身の体のラインが腕を覆う長袖からも見て取れる。どこか浮世離れした雰囲気を醸し出しているくせに平然と笑って世間話をしている。
 彼女のことを知ってからもう二カ月ほど経つがいまだによくわからない。ただ単に情報としてわかるものではなくもっと奥深いもの、それがなんだかよくわからない。ただじっと見つめてくる視線には何が含まれているのだろうか。そんな疑問に最近は悩まされている。
 立場を説明すれば、彼女は中学三年生の女の子、俺はしがない大学生。個別塾においての生徒と先生だ。認めたくはないが俺は彼女の中になにか女を見出しているのかもしれない。わかりやすく言えば気になってる、そんなところだ。でもこれが恋愛感情かどうかと問われれば明確に答えることはできない。それはもちろん立場上の問題もあるし、なにより彼女には大衆的な恋愛というものが似合わない。かといってヤンデレという最近の言葉にカテゴライズできるほど陳腐ではない。なにかよくわからない、ただ上手く言葉にできないなにかで俺は彼女に誘われている、そんな気がするのだ。
 くすくす、といやにお上品に彼女は口元に手を当てて笑う。他の人から見れば彼女はそこらへんにいる女の子なのだろう。なぜか感じ取ってしまった彼女からのテレパシーじみたお誘いをどう処理すればいいのだろう。彼女は俺がこの信号を受け取っていることに気づいているのだろうか。それともすべて俺の幻想なのだろうか。そんなことばかり考えて俺は今日も確実に彼女という存在に毒されている。

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ヘルツ

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閲覧数:115

投稿日:2011/09/24 16:35:37

文字数:667文字

カテゴリ:小説

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