A.
白い指が跳ねるウサギと黒鍵 襖の外で映える化粧
子供の頃に見た夕景は 煙突の影に隠れたんだ
消えない傷心に毎晩うなされ 首を絞めながら目が覚めた
生きているから忌々しい 僕が死んだら喜劇かな

生きたいと願いたいのだ 春に佇む藤の花
死にたいと口にする度に 泣いてくれる君はどこに?

B.
痣が増えた体を引きずり 木陰に膝をついた
雨粒がつま先についた 裸足の泥少女
水面に映った"穢され"は 濡れた波紋に攫われた
握っていた右手の温もり 肌を伝う悲しみ

微かな幸に縋りたいなら 純血に汚れてしまうのか 
僕が君のことを忘れたなら 君が僕を綴ってくれるかな?

(間奏)

C.
春に咲いた花の蜜が 夏の陽炎に溶けていって
秋にしわがれた命たちは 冬の風に砕け散っていった
幾星霜も待って錆びついた 上限の月が二つに裂けた
蜘蛛の糸と摩擦の跡が レールの輪廻を横切って
啼いた 空いた 咲いた 哀だ

生きたいと願いたいのだ 生きぞこないに曼殊沙華
「言いたい」を言葉にしなくちゃ 罪と罰を刻めるだろ
生きたいと願いたいのだ 春に佇む藤の花
死にたいと口にする度に 泣いてくれる君はそこに
今を去る僕の生だ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • オリジナルライセンス

生きぞこないの亡命

ボカロ聴いてて唐突に発作の如く
バラードの作詞欲が掻き立てられたので。

閲覧数:5,124

投稿日:2020/10/20 10:36:31

文字数:508文字

カテゴリ:歌詞

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