学校の帰り道、今日もコンビニに寄って行く。ドアから覗いて気付く。

(あれ?あの子、新人の子かな?…ちょっと可愛いかも。よし、お弁当買って帰ろ。)

サイフの中身を確認する。100円玉が7枚。

「いらっしゃいませ。」

あの子のレジの前には誰もいない。

(今がチャンスだ!)

猛ダッシュでレジの前へ行く。
商品をすべて並べた。

「685円です。」

小銭を並べて、気付いた。

「…あれ?」

35円足りない。

「おかしいな、確かここに…、」

会計待ちの人達の視線が痛い。あの子にも見られてる。

「やっぱりこれ、やめときます。」

小さい声で、そう言った。会計を済ませて、出口へと走った。

(恥ずかしいっ。行きづらくなっちゃったよ。)


―どうして貴方は穴以外似ているの?100円と50円玉。


あんなことがあったけど、また僕はコンビニに立ち寄る。

「いらっしゃいませ。(ニコッ)」

(///僕のこと、覚えてくれたのかな…。)

お弁当を持って、あの子のレジへ並ぶ。

「お弁当温めますか?」

「(その声で僕、ポカポカになるよ♪………なんて言えないし、)お願いします。」

そんなことを思って、にやけた顔で、サドルにまたがる。ペダルを踏んで信号を渡る。そして気付いた。

「……お弁当温めてたのに。忘れた…。」

後ろを見るとあの子が僕を探していた。でもいけない。立ちこぎで全力で逃げた。



次の日、クルマのかげから店内を見る。人が沢山いるけど、すぐ行くのは恥ずかしい。

(何で逃げたんだよっ。せっかく話せるチャンスだったのに!バカバカ!)


別の日にコンビニに寄った。読みたかった雑誌をパラパラめくる。偶然、少しえっちぃ写真のページをめくってしまった。

(近くに女の子いるのに!)

急いで隠そうとしたら、カバンを引っ掛けて、商品をばらまいてしまった。

「あ、すみません。」

ついてない。



また別の日には、ドアに直撃して買ったばかりのおでんをこぼした。まったくついてない。
それでも僕はあの子に会うためにコンビニに立ち寄る。



今日はいつもと違った。あの子がはにかんだ顔をしていた。フラグがたった予感がして、立ち読みするフリをして様子を伺う。そしてサイフの中身を確認する。
レジへ並ぶ。会計を済ませた。何も起こらない。
帰ろうと思ったら、あの子がそっと教えてくれた。

「………ますよ。」

「えっ!」

ズボンのチャックが全開だった。

(笑われてたのか…。)



商品を持って、あの子のレジへ並ぶ。会計をしようとしたら気付いた。
35円足りない。

「あれ?」

探しても、見つからない。

「やっぱりこれ、やめときます。」

会計を済ませて、出口へと急ぐ。

(またやっちゃったよ…。)

「あの、すみません。」

「僕?」

振り向くとあの子がいた。

「私、会計した時におつりを間違えてしまったみたいで…。」

「い、いや、」

「何で100円玉と50円玉って似てるんでしょうね。じゃあ、私はこれで。」

「待ってください。」

「はい?」

「………。」

「………。」

「や、やっぱり、な、何でもないです。あははっ…。」

「………ふふっ。」

「あの、また…来ます。」

「はい。待ってます。」





―今日も僕はコンビニに立ち寄る。―

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

コンビニ

今回は「コンビニ」です。

これで10作目になります。

あと一応、リクエストです。

cokesi様、すみませんでした。

閲覧数:105

投稿日:2011/04/08 01:44:15

文字数:1,406文字

カテゴリ:小説

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  • 禀菟

    禀菟

    ご意見・ご感想

    待ってました!!
    コンビニのうたってほんわかしてるよねww

    pvが頭に浮かんだww

    文才って怖いなぁ←

    2011/04/08 09:30:45

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