黙せよ実りが来るまでの辛抱と
堪え忍び時代を越える
木偶の坊と罵られても直向きに
太陽を待ち侘びて不変を進む

浄化されるのはこの魂に絡みついた業か
抑することしか知らない愚かさか
蟻禅を重ねて 謀反の術をも忘れた純粋を憎むべきかと

風前の綱渡り
大いなる者が蔓延る嫌な時代になりました
恐らく唇の肉を喰らい過ぎて牙を得たこの身と
静寂を好む習性に炎を灯せば
暗中、彼奴等(きゃつら)への優しい憎悪の芽が膨らむ

いつの夜か 同胞と酌み交わした蜜虫の杯
夢のような話に耽入った
「ああ、この黒い背に張り裂けんばかりの羽と、
 ひたすらに純粋な 力…力…が欲しいだけ」
ねえ 誰にも言わないから
この黒焼けた醜い素肌を晒す怪蟲の声を
一つだけ聞いて欲しい
ひらりひらりと、羽に甘美を込めたあの蝶にはなれないから

綺羅りと光に荏苒の虚しさと
苦い鼓動が
木偶の坊と蔑める常套に
黒焔が燻らず一人頑な

平伏す演技さえほら少しだけ上手くなったでしょう
逃げ出すだけだと素知らぬ振る舞いで
蟻禅を重ねる 汚辱の術だけ企て荒む声無き声は
虚空に飛ぶのみ

蛍火が空高く
強大な者が誇れる憮然な悪戯(あくぎ)を受け入れよう
恐らく唇の肉が白蠕(はくじゅ)爛壊(らんえ)毒浮いたこの身は
愁然を眺め濃淡の非凡が花めき
仕草は彼奴等への煮え立つ憤怒に攣る口唇(こうしん)

空前の倒錯的
猩々蠅の求愛、それは何かと似ている
劈く自らを聖と謳い提げる身の程不知に
解釈は不要 恐怖に震えた手付きで
設え 掌一つだけの答え 閑かに

「見定めるべく生き永らえようと下らぬ禅問答を誓う、竹縞蘭の上這うた日でありました。」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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蟻禅

和系ストーリー系です。
ありんこさんの歌ですな。

なんとなくがくぽのイメージが有りましたが、男でも女でも。

閲覧数:133

投稿日:2011/02/06 00:06:03

文字数:701文字

カテゴリ:歌詞

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