美しい湖の前で読書を楽しむ青年が1人。
彼が読んでいる物語は多くの人に愛されている名作だ。
その物語は、とある少女が愛してもいない人と結婚させられるところから始まる・・

私の高校生活の目標は彼氏を作ることだった。
彼氏がいる友達もいたから憧れていた。
高校生だったら彼氏がいてもそこまで違和感がないから両親も反対しないだろうと思ったし。
ある日、父が仕事の関係で出会った人は父の仕事をとても助けてくれて父にとって恩人になった。
父は恩人には頭が上がらない。
父は仕事で大きなチャンスを得た。
恩人はもちろん協力してくれたが1つだけ条件があった。
それは、恩人の息子と私の婚約だった。
もちろん嫌だったけど断ることは許されない。
だから私は全てをあきらめたの。
楽しい高校生活も彼氏を作りたいというひそかな憧れも。
普通に過ごしている友人達をうらやましいと思いながら過ごす日々。
高校卒業後は自動的に結婚することも決まっているため、私の高校生活は結婚へのカウントダウンでもあるから卒業するのが嫌だ。
もう3年生だから残された時間は1年をきった。
帰宅して家に帰っても気持ちは晴れない。
食事を済ませて部屋に閉じこもる。
窓から見える月はとても綺麗で、この月だけは結婚してからも私の癒やしとなるのだろう。
お父さんが違う仕事をしていたら、お母さんがもっと反対してくれたら、そんなことを考えても無駄なのに・・。
バサッと物音がした。
「・・お邪魔します」
「今は話しても大丈夫か?お嬢ちゃん」
「驚かせてすまない、お時間をいただけるだろうか・・?」
黒い羽をした人物が3人、部屋の中にいた。

少し落ち着いた私はこの状況を理解しようと彼らと話すことにした。
「・・えーと、お話とは何でしょうか・・?」
まずは落ち着かなきゃ、どんな時もまずは冷静になろう、そう自分に言い聞かす。
「・・僕はブーケと言います。可愛い物が好きなんです・・!」とピンク色の長い髪をピンク色のリボンで結んでいる青年が言う。
「俺はエトワールだ。ま、簡単に言うと俺たちは人間ではなく悪魔だ。羽は黒いけど服は白いってな」と青いショートヘアの青年が言う。
「私の名前はシェイド。私たちは魔界に住む悪魔だ。」とブーケという青年よりも長い銀色の髪をした青年が言う。
「あ、悪魔?!」
たしかに羽の色は黒いけど悪魔というよりは、どこかの国の王子様といったような見た目なんだけど・・?
シェイドと名乗った青年が続ける。
「セツナ、突然の訪問を詫びよう。だが君に一緒に魔界に来てもらうという大事な用事があって来たのだ。」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

悪魔のレクイエム(1)

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投稿日:2023/10/01 18:44:35

文字数:1,087文字

カテゴリ:小説

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