『標本butterfly』


手足を失った貴方から
飛び立つ羽根を奪ったのはきっと私
こんな私を貴方は許してくれますか?

狭い世界の閉ざされた一室で
生きたまま標本になりましょうと
約束した私は
息ができないほど首を締めあげた

愛して
愛され
愛するから
貴方の瞳はもう
私すら映さないのにね
嗚呼
息苦しいのはお互い様と
強く貴方を責め立てて

私が貴方の魂を弄んだのかしら


全てを失った貴方から
それでも尚羽ばたけと命じたのもきっと私
こんな私を貴方は許してくれないでしょう?

隔てた世界の閉ざされた一室で
生きたまま標本になればいいと
言い捨てた貴方は
私の前から姿を消した

愛して
愛され
愛し合うから
私の躰はもう
貴方以外では埋まらないのにね
嗚呼
欲深いのはお互い様と
強く貴方を縛り付けて

私が貴方の息の根を止めたのかしら


それは最早夜夜の幻想
軽やかに飛び散る鱗粉が
遥かかなたに伸びて

そして消えた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

標本butterfly

携帯から初投稿
ある小説を読んで思いついた歌詞

閲覧数:68

投稿日:2010/03/18 16:59:16

文字数:420文字

カテゴリ:歌詞

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