―風がわななく逢魔が時に
黒く腐った皮膚は剥け
骨が飛び出た異形の者が
井戸の底から這い出づる―
貴様に縊り殺されて
沈んだ井戸の底深く
身体は疾うに腐れたが
恨みが募り 眠られぬ
屋敷を前に 怨霊は
疎らな髪を振り乱す
誰も知らぬを幸いと
ぬくい灯の下 のうのうと
暮らす貴様は 古井戸の
底の暗さも知るまいなァ
汚水に深く身を浸し
血肉を蛆に啜られて
幾多の夜を過ごすうち
恨みの修羅と成り果てた
茶の間で一人 酒を呑む
男に ざわり 影が寄る
手足 耳 鼻 舌 目玉
一寸刻みの生き地獄
憎き貴様をやすやすと
黄泉国へは行かせまじ
―風も絶え入る丑三つ時に
忍び笑いが這ってゆく
赤く湿った肉塊掴み
黒き異形は井戸に消ゆ―
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