【暖かい海】
 私は、ワカメの国での働く女をしていた。
フランジェリムさんからは、「働く女、私って何て格好いいの?とか思うのは良いけれど、遣り過ぎは駄目よ」
と言われた。確かに其の通りである。私の夫は、仕事のし過ぎもうつ病と関係していた。
私が二の舞をしてしまっては駄目だ。2人揃って(そろって)鬱病何て、最悪の事態だ。
私は、しっかりしないと…。
でも、そうでは無いのだそうだ。頑張り過ぎは行けないのだそうだ。
まあ、そんな感じで私は、人間界での中学校の教員の仕事を一時中断して、今は夢の世界の夢の国
である、ワカメの国の中にある「迷いご案内所」に務めている。
 或る日、私が迷い子案内所へ通勤していたとき(フランジェリムさんは「通勤とか面白みの無い言葉使うの止しなさいよ(よしなさいよ)そんなんじゃ、詰まらない生活をして居るみたいじゃない!」とか言われたけれど)
異変に気が付いた。
暖かい。
うん?
海の中だから、温かいかな?
兎に角、生温い(なまぬるい)。
ワカメの国は水の中に存在している国だから私の肌が今触れているのは空気では無く、水だ。
其の水の温度が少し高めなのだ。
 私は案内所に着いてフランジェリムさんに尋ねた。
「あの、今日って何だか、暑くありません?と言うかぬるくありませんか?」
「ああ、温いわね。でもどうせすぐ仕事で此処は後にするからいいじゃない」
いいじゃないって、其んな適当な…。
「あ、でも、フランジェリムさん、此の温いのって何か気持ち悪い温さですよね。どうして温いんですか」
「ああ、ん~、ああ、アレじゃん。原発の近くに着てるんじゃン?」
ワカメの国は日本を初め、様々な国の様々な土地のリアス式海岸に気紛れに場所を国ごと移動させながら
存在している夢の国だ。
まあ、夢の国何だから、現実に即させた(そくさせた)場合の場所に何て何の意味も無いけれど。
一応、「ワカメ有る所にワカメの国有り」なのだそうだ。
ワカメ其の物がワカメの国で有り、ワカメ其の物がワカメの国の民なのだそうだ。
よく分からないけれど。
そう言う事よってフランジェリムさんが教えてくれた。
詰まり、今フランジェリムさんが言った言葉の意味は、其の常に移動を続けている「ワカメの国」が
現在は、原発が近くに有る海岸の近くに移動してきたと言う事を指しているのだ。
「え、でも原発の近くの海が暖かいって、どういう事なのですか?」
私は中学校の先生だ。其れ成りの知識欲が有る。
「あんた、人間界から来た生粋の人間でしょ?そんな事も知らないの?だから、コンブの国の廃棄物処理班コンブが困ってるんだよ!」
なぜか怒られた。
確かに私が中学校の先生で有るのに、原発の仕組みも知ら無い何て恥な事だ。
浅学で有った。
でも、其処迄怒る?
「まあ、いいや、あの仕事はワカメの国の仕事じゃないし。じゃあ、私が教えてあげる
「いい?妖精で有る所の私が人間界の事を詳しく知って居るのは、私の弟が偶々人間の事をよく知っている
勉強熱心な努力家だからなのよ。
分かってる。?
妖精が人間に、人間世界の事を教えると言う、此の訳の分からない状態の事をちゃんと理解しているんでしょうね
「はい。」
「ならば宜しい
「原始発電所略して原発では、電気を作る為に高温が発生するの。其の高温を冷ます為に何が使われる
と思う?
「え、っと何でしょう氷とか?」
「まあ、当たらずとも遠からずね。答えは海水です。其の海水で高温に成ってしまった「棒」を冷ますの。
そして此れからが重要な所よ。其海水は何処へ行くと思う?
「え、其れはやっぱり海に流すしか現実的には方法が無いんじゃないんじゃ…」
「ピンポーン其の通りです。其れが此れと言う訳よ」
ああ、成る程。
其の温まった海水が流されている場所に偶々ワカメの国が遣って来たのね。
だから今私が居るワカメの国国内の水が温かいのね。
「そういう原発が近くに有る所にワカメの国が行くと、毎回こう言う事になるわよ。私だって気持ち悪いわよ」

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ワカメの国 第九章 正し過ぎた人 畑広美の物語【暖かい海】

 原子力発電をす(仕)ると、温かい水が海に流れ出て仕舞うそうです。海って【うみ】って発音しますよね。生みも産みも(うみ)って発音しますね。
※小説「ワカメの国」は現在「KODANSHA BOX-AIR新人賞」に応募中。
※Yahoo!版電子書籍「ワカメの国」は此方
URL:http://blogs.yahoo.co.jp/wakamenokuni
※サブカルチャーを楽しみたいなら
URL:http://book.geocities.jp/wakamenokuni/index.html

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投稿日:2012/02/14 03:45:57

文字数:1,664文字

カテゴリ:小説

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