題：現場主義魔王タナカ
版：Ver1 Rev0


＜Aメロ＞
とある田舎の山中 コツコツ旅人から追い剥ぐリザードマン
名をタナカと言う 俺には夢がある
いつかあの人のような立派な魔王に

＜Bメロ＞
幾つもの危機を乗り越え
幾人もの仲間を失い
幾度となく住処を追われた
俺を逃がしてくれたヤマグチ
あいつは最後に笑ってた
断末魔を振り切り 死ぬ気で走ったあの無力さを忘れない

＜サビ＞
やがて部下を持ち それなりのチームリーダーになった
ナントカ洞窟の主なんて呼ばれ ドヤ顔勇者を追い払う
仲間を守り 住処を守り
やっと手に入れた平穏を守る


＜Aメロ＞
あの頃はそれだけ考え がむしゃらだった 俺はリザードロード
苦節53年 やっと念願の魔王に
叩き上げの徹底現場主義

＜Bメロ＞
丁寧に教育を施し
やる気ある者に機会を
時に厳しく 時に暖かく
仲間のピンチには誰より早く
駆けつけ 皆を守り抜く
下卑た人間の迫害にも決して負けない不屈の闘志

＜サビ＞
それでも進化した人間の兵器の前になす術無く
次々と自分を庇い仲間が倒されていく
一人でも多く 助けたいのに
ただ一心に、俺は叫んでいた


＜Cメロ＞
「ここは俺に任せて逃げろ！一人でも多く生き延びてくれ！」


＜サビ＞
やがて訪れる最期 断末魔なんぞ聞かせてなるものか
俺は不敵に笑い、走馬灯の向こうにあの人を見る
育てた部下達 きっと俺より強く
次代を担う魔王となってくれる

この美しい世界を汚す人間共の手から
いつの日か奪い返すだろう 俺はその時を見られないが
お前達に託して逝ける
嗚呼、俺は幸せだった