今日の日もまた雨のまま、夜を迎えてしまうから。
雲の隙間の薄暮れの、ほんの少しの光さえ、
眺めるうちに日は暮れる。
まるで寝覚めの夢のよう。
叶わず消えるくらいなら、見えないままならいいのに、な。
——
今日の日もまだ雨のまま。
白い空 かきまぜたくて、手招くうちに日は暮れる。
晴れに枯れては雨を恋い、雨に濡れては晴れをこい、
この身は 空を低く飛ぶ。
何で雨に委ねると、途端に許されてゆくの。
心溶けて流れては、あの空に混ざりゆくの。
つかえる胸に響くのは、仄かに咲う君のこと。
「そのあたたかさを背負って、遠くへ飛んでいくんだよ。」
悩める心に雨は降る。
まるで目覚めの鐘のよう。
涙に濡れた体でも、その眼は前を向いていた。
私はやがて浮き上がる。
どれだけ夢を見ていただろう?
不思議と空が風に乗る
その理由 すでに知っていた。
「さよなら、」
いづれ時は経る、
忘れえぬ空は雨模様。
涙に濡れて、
だからこそ 燕は 飛んでいく。
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