【桜と私】

あなたが束ねた桜の花束
私の想いに似ているわ
弱く、小さく、まだ寝る蕾
早く起きろと呼びかける

いつの間にか隣にいた
笑うことが当たり前で
私の一部、あなたの一部
いつか壊れる日が来ると
乾いた唇にキスをした

別つ日が来ても
私を置いていかないで

あなたが束ねた桜の花束
私の想いに似ているわ
優しく、広がる、この恋心
あなたが好きと囁くの

いつも隣が日常
全てが許された
私の我侭、あなたの我慢
少し背伸びし口元寄せて
あなたは両手で突き放す

別つ日が来ても
私を置いていかないで

あなたが束ねた桜の花束
私の想いに似ているわ
淡く、儚く、散りゆく花弁(はなびら)
やめて、散るなと抱きしめる

これが運命だというのならば、
私は神様を恨みます

あなたが束ねた桜の花束
私の想いに似ているわ
淡く、儚く、散りゆく花弁(はなびら)
やめて、散るなと抱きしめる

あなたの背中が離れるこの道
私は「待って」と手を伸ばす
一つ、二つと離れる歩幅
残され、私は枯れるだけ