[ドラマ]リセット・ボタン


「ちょっ!ちょっ……あーまたミスった!!」
僕が操っていたキャラクターは谷底へと消えていった。もう何度目だろう。ネットで鬼畜と噂のこのゲームは、そう簡単に勇者をゴールにまで誘導させることができない。
僕はため息を吐きながら、荒々しくリセット・ボタンを押した。こうやってボタン一つで何度あいつを生き返したんだろう。けれど、生き返したところであいつは何も感じない。何も思わない。

真夜中、午前2時。
暗い部屋を目の前のパソコンだけが、眩しい光を放っている。
とても静かだ。ヘッドホンから耳に直接注ぎ込まれるちゃちなピコピコ音を除けば。

「…あーもうっそこじゃないってば!!またかよ…」
小声で叫ぶという高度な発声法。また同じところでミスだ。さっきからずっとここで引っかかって前に進めないでいる。
ため息もう一つ。キーボードから手を離し、座ったまま伸びをする。


こんな真夜中に。
ふと、不安に襲われる瞬間がやってくる。

僕はここで何をしている?
僕はどうしてここにいる?


いつからか
明け方までパソコンの前に座っていることに違和感がなくなった。
昼夜逆転の生活が当たり前になってしまった。


消えていった勇者の姿が、瞼の裏に思い浮かぶ。そいつの姿が一瞬自分のような気がして、ぞっとした。

違う、僕はあいつじゃない!
僕はあいつらと違って生きているんだ!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

[ドラマ]リセット・ボタン

歌詞「リセット・ボタン」の状況説明?のようなものです。
歌詞のほうも合わせて見ていただけるとありがたいです。

なんか予想以上に暗くなってしまった;

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投稿日:2009/01/25 00:07:24

文字数:600文字

カテゴリ:その他

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