イカサマ⇔カジノ【自己解釈】
投稿日:2012/04/02 23:23:39 | 文字数:2,178文字 | 閲覧数:44,077 | カテゴリ:小説
今日はじめて聞いて、またしても衝動的に書きました(ぇ
カジノとかルーレットとか、いろいろ調べて書いたんですけど、おかしかったらスルーしてください。
本家様 http://www.nicovideo.jp/watch/sm17428538
次回投稿予定
「嘘の占い師」
「背徳の記憶~The Lost Memory~ 3」 …coming soon
「彼らに勝てるはずがない」
そのカジノには、双子の天才ギャンブラーがいた。
彼らは、絶対に負けることがない。
だから、彼らは天才と言われていた。
そして、天才の彼らとの勝負で賭けるモノ。
それはお金ではない。
彼らとの勝負で賭けるのは、『自分の大事なモノ全て』。
だから、負けたらもうおしまい。
それでも、貴方は賭けますか――?
<<イカサマ⇔カジノ>>
人間の、醜い欲望。
鳴り止まない喧騒。
そして、駆け引き。
それら全てが渦巻くアンダーシティ。
生きる為にはしなければいけない、仕事。
上を目指す者ならば必ず願う、成功。
誰もが追っている、夢。
進むために人間が持っている、希望。
そして、それらを求める猛者達。
客にカクテルを出しているバーテン。
カードを配っているディーラー。
ルーレットを回しているギャンブラー。
彼らが集まるのは、とあるカジノ。
「…あ、また来た」
俺のその言葉を聞いて、片割れのギャンブラーは静かに微笑んだ。
「あら…今日はずいぶんと、お客様が多いわね」
リンがそう言うのも無理はない。
このカジノは小さい。
でも客はまぁまぁ来るのだが、俺たちのところに来る客は、一日で4,5人程度なのだから。
それがどうだ、今日はこの客で15人目だ。
いくらなんでも多い。
まぁ、俺たちは儲かるほうだからいいんだけどさ。
「まぁ…貴方達が、あの噂の天才ギャンブラー?」
「えぇ、そうです。私はリン」
「俺はその片割れ。レンと申します」
俺たちが軽く名乗ると、その女性は少し驚いたような顔で言った。
「へぇ、双子のギャンブラー…貴方達はまだ若いのに、どうしてこんなところにいるのかしら?」」
「それは貴方にも言えることです、ミクさん」
「あら…貴方達、私の名前を知っているの?」
「貴方のことは、そこらじゅうのカジノで噂を聞きますよ。なんでも、男性ギャンブラーを誘惑して自分を勝たせる…みたいなこと、してるじゃないですか」
「それはぁ、ただのウ・ワ・サ。本当は正々堂々と戦ってるわよぉ」
女性はとぼけたように答えた。
(レン。あいつ色目使ってるわ。信じるつもりじゃないでしょうね)
唐突に、リンが目でそう言ってきた。
(そんなわけないだろ?どんだけああいう客を見てきたと思ってんだよ)
(でも…)
(あのなぁ…俺はああいう女はキライなの。キモイし、ロクなヤツじゃないってこと、よくわかってるだろ?)
(はいはい、わかったから)
だったらリン、お前の服もどうなんだ。
あからさまに…やっぱいいや。
「まぁ、そんな話は置いといて。今日はどのようなご用件で?」
「そんなの、決まってるでしょ?ゲームをしにきたのよ」
「…あははっ。そうこなくちゃ。じゃあ」
俺たちは笑うと、いつもの言葉を口にする。
「貴女の大事なモノ」
「全部賭けましょう」
そして、俺たちは女性に言う。
「さぁ、今宵のGameは何だい?」
「ほどよい刺激を頂戴?さぁ、どうする?」
「そうねぇ…カジノの女王、ルーレットをお願いするわ」
「ルーレット…ホイール(円盤)を廻してボール(球)を落とし、落ちる場所を当てる簡単なゲーム」
「オーケー。やってあげる」
俺たち三人は、テーブルに向かう。
「聞いたところでは、ミクさんはルーレットが得意だそうですね」
「勝ったときに1増やし、負けたときに1減らすシステム…ダランベールなんて、退屈すぎるわ」
「ダランベールは無しだからね。どっちの色?」
「黒にしておくわ」
「じゃあ俺たちは赤ね」
俺は球を手にする。
「狙うは?」
「「36倍」」
さぁ、“俺たち二人”の舞台へ…
「いくよ?」
俺は、ルーレットを廻し球を投げ入れた。
目にも留まらぬ神業。
それは、俺たち二人だけができるShow Time。
運命的なシチェーションで、俺たちにとっての遊戯盤は廻り出す。
客は完敗?
今回の客が失うのは、多額の「金」か?
それとも、自らの「プライド」か?
円盤のスピードは遅くなっていく。
そして球が止まるその寸前で、女性は瞳を閉じた。
そして、目が開かれるまでのわずか一秒。
俺は、黒の36に入るであろう球を掴み、ポケットに隠す。
リンは隠し持っていた球を、俺が掴み取った球があった位置から転がす。
そしてカタンと音がしたとき、女性は目を開いた。
「え…嘘…!私が、負けるなんて……!」
「私たちの勝ちよ」
球は、赤の36に入っていた。
これが、俺たちが天才と言われる理由。
イカサマをしているなんて、俺とリン以外は知らない。
いや、俺たち以外にわかるはずもない。
それぐらいに、俺たちは完璧なのだから。
「さぁ、貴女の大事なモノ全て…プライドはたった今壊れたから、残りのお金だけ全部もらうわね」
「負け犬に用はない。今からアンタは、ただの女」
「そんな……!」
彼女は崩れ落ち、泣き出した。
今回も、俺たちは勝った。
それは、隙を見てイカサマをしているから。
瞳を閉じたその隙に、相手の心ごと奪ってあげましょう。
それが、俺たちの役目。
作品へのコメント1
ピアプロにログインして作品にコメントをしましょう!
新規登録|ログイン-
Crazy ∞ nighT【自己解釈】
彼女たちは物語を作る。その【エンドロール】が褪せるまで、永遠に。
暗闇に響くカーテンコール。
やむことのない、観客達の喝采。
それらの音を、もっともっと響かせてほしいと願う。それこそ、永遠に。
しかし、それは永久に続くことはなく、開演ブザーが鳴り響く。
Crazy ∞ nighT【自己解釈】
-
ボカロで童話やってみた【人魚姫】
「あとはここだけだな。…ん?」
部屋を掃除していると、タンスの奥から懐かしい物が出てきた。
本だ。
掃除は休憩し、この本を読むことにした。
本といっても、おとぎ話とかだけど。
ボカロで童話やってみた【人魚姫】
-
【moonlit bear】原罪者と平和な森【二次創作】
恐ろしいほどに暗い森の中を、私は駆け抜ける。
はやく、はやく、逃げないと。
これさえ持って帰れば、私は幸せになれる。
でも、うしろからは怖い熊が追ってくるの。
花が咲いた道を駆け抜けたためか、花を踏んでしまった。
【moonlit bear】原罪者と平和な森【二次創作】
-
【七つの大罪】悪ノ王女と無限戦術【二次創作】
「あら、おやつの時間だわ」
最後に『悪ノ娘』が口にした言葉。
その言葉は、午後三時になると、彼女がいつも言っていた口癖でもある。
『彼』が死んでしまったのは、たくさんの人の首を跳ね続けてきた自分の責任。
私が彼を殺したのと一緒だ。それを私が信じたくなくても。
【七つの大罪】悪ノ王女と無限戦術【二次創作】
-
Bad ∞ End ∞ Night 1【自己解釈】
それは、月の綺麗な夜。
深い森の奥。
それは、暗闇に包まれている。
その森は、道が入り組んでいる。
道に迷いやすいのだ。
Bad ∞ End ∞ Night 1【自己解釈】
-
【茶番カプリシオ】時の魔導師とぐだぐだ裁判【二次創作】
「私の言うことが聞けないの!?」
人形館長が槌を強く叩く。
そんなこと言っても無駄よ。
だって、すでに彼は力を失っているから。
<<【茶番カプリシオ】時の魔導師とぐだぐだ裁判【二次創作】>>
【茶番カプリシオ】時の魔導師とぐだぐだ裁判【二次創作】
-
【コラボお題】trick or treat――?【ハロウィン】
――トリック・オア・トリート。
あなたが選ぶのは、お菓子か、イタズラか。
…?何、これだけしかくれないの?
ならば…
【コラボお題】trick or treat――?【ハロウィン】
-
【童話・マッチ売りの少女】孤独な少女に幸せを【ボカロで童話やってみた・2】
「ああぁー暇だー…」
傍でリンがだらけている。
まったくもう…
「何やってんだよ。大掃除の途中だろ?」
「そうだっけ?」
【童話・マッチ売りの少女】孤独な少女に幸せを【ボカロで童話やってみた・2】
-
Bad ∞ End ∞ Night 3【自己解釈】
「そっちは見つかったか!?」
「いいえ、厨房も客室にもいなかったわ」
そんな声が聞こえてくる。
みんな私を捜しているんだ。
そして、きっと殺されちゃうんだ。
Bad ∞ End ∞ Night 3【自己解釈】
-
Bad ∞ End ∞ Night 4【自己解釈】
物語は、村娘の手によって“本当の終わり”を迎えようとしていた――
三年前、複数の村から人が七人、消えた。
消えた七人の行方は、定かではなかった。
村の人々は、彼らが殺されてしまったものだと考え、彼らを“いなかった”ことと思い込んでしまった。
しかし、実は彼らはまだ生きていた。
Bad ∞ End ∞ Night 4【自己解釈】
のほほんと生きる物書きです。
ギャグから真面目なものまでいろんなジャンルの小説を書いています。
…のはずが、最近はがくルカを書くことが多いです。
IN率低いです。
マイページ以外では「かなりあ荘」というコラボに出現します。
全体的にgdgdなものが多いです。
小説は、自己解釈もオリジナルもやってます。
だいたいはその場のノリで書いてます。