夏が来た
空に群れた青は濃く
真白い雲が天を突いていた
蝉の声 塩素の匂い
住宅街に響くきらきらした声
夏の音 夏の匂い
数年前の夏が蘇る
無敵だと思った“若かった”夏
あの夏にまだ囚われている
大人になったら忘れるのかな
「子供に戻りたい」って思ったら大人なんだって
私はまだ子供でいたいんだ
この幼い心を離したくて
でもこれより大切なものはないから
この幼い心を抱きしめる
一夏よりずっと長い恋
プールの思い出が脳を溶かしていく
夏の盛り
少しずつ でも確かに
夏至を過ぎて日は短くなる
笛の音 屋台の匂い
水筒の固い氷はもうない
口で溶けたかき氷
子供最後の夏が過ぎていく
大人になる前最後の夏
どの夏も二度と帰ってこない
大人になったら笑えるのかな
「あの頃は若かった」って笑えたら大人なのかな
なら私はまだ子供でいたいんだ
この苦しい想いを消したくて
でもこれより大切なものはないから
この苦しい想いも抱きしめる
一夏よりずっと長い恋
花火に思い出がなくてよかった
「思い出がなくてよかった」なんて
そんなのもう君を探しているじゃないか
あのプールで弾けた水と笑顔にこそ
本当の美しい恋があったはずなのに
大人になったら忘れるのかな
子供から追い出されたら全部諦められるかな
私をまだ子供でいさせてよ
この幼い心はまだ捨てちゃだめだ
だってこれより大切なものはないから
この幼い心を抱きしめる
一夏よりずっと長い恋
また夏の思い出を胸に刻もう
夏を征く
空に群れた青は濃く
真白い雲が私を急かす
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