「おっ・・・・」
アカイトとバンが外でデート(←お出かけとも言う)していると、最近出会った女の子がショーウィンドウに、貼り付くように佇んでいるのを発見したので、声をかけてみるアカイト。
「よぉ!ジミちゃん、こんなとこで何してんだ?・・・・・・・」
ジミの視線の先にある物を見て、アカイトは黙りこくった。
「あ、アカイトさん。それに、バンさんも。・・・あれ?どうしました?2人とも」
2人に気づいたジミはきょとんとする。
「・・・・いや、何でもないぜ、な?バン」
「そうだな、アカイト」
アカイトの言葉に、素直に頷かざるをえないバン。
その時・・・、
「あれぇ!みなさんですよねっ!?」
そこへ、とてとてとモコがやって来た。
「およ?そこにいるのはジミさんですね?お久しぶりですモコです」
「あ、どうもジミです。お久しぶり、です」
「・・・なんか可愛い女の子が会話してるの見てるだけで、癒されるなー」
「そうか?私はアカイトが一番、可愛いと思うのだが」
「・・・なんかバンって、損してるような気がするんだけど」
「それは何故だ?損というよりむしろ得だと思うのだが」
「・・・・・・・そうだな。バンはそういう子だったな。ごめん、バン」
などとアカイトとバンが意味のない会話をしていると、
「ジミちゃんって、つたんかーめんが好きなのですか?」
モコが一番いいにくいことを、アカイトとバンに代わって聞いた。
「あ、はい。なんていうか、あの黄金の輝きに心奪われてしまって・・・」
そう言って、うっとりと頬を赤らめるジミ。
「・・・ジミだけに、派手なものが好き、か・・・」
「失礼ですよアカイトさん。女の子は、派手なものが1つや2つ好きになるものなんですよ!」
思わず呟くアカイトに、モコは怒る。
「そ、そうか。そりゃ悪かったな・・・」
アカイトは謝って、それから、
「・・・俺のマスターって、派手なもの好きだったか?どちらかといえば、マイナーなものが好きな変わったやつだったような気がするんだけどな・・・」
モコに聞こえないようにぼそっと言ったのだった。
「確かに、あの輝きは誰だって見とれちゃいますよねぇ・・・誰だってー」
わざとらしく繰り返して、モコはアカイトを見る。
「なっ・・・何だよ、モコ」
「いーえ、なんでもないですよ、なんでも。・・・あ、マスターが呼んでますので私はこれで。・・・ジミさん、今度私のところへ遊びに来て下さい!マスターも喜びますよっ!それでは失礼しました」
そう言って、頭をペコリと下げてマスターの元へ、またとことこと歩いていった。
「・・・ジミちゃん、勘違いしちゃだめだ。あれは羊で、代理のマスターだからな」
モコの代理マスターを見て、目をまんまるにさせるジミに、アカイトはちゃんと説明する。
「あ、そうなんですか・・・。そうですよね、なんか色んな意味でほっとしました」
ジミは安心したようにそう言った後、
「あの、さっきの貴方とモコさんやり取り見てて、思ったんですけど・・・・」
そこまで言って、にっこり笑って、
「・・・モコさん、貴方のこと、少し気になっているみたいでした。じゃなきゃ、あんなに話しませんよ、女の子は」
「と、いたずらっぽく言った。
「・・・・・・・えっ、そんなの全くなかった気が・・・。それに、なんかツンツンしてたし、違うんじゃないのか?」
「好きな相手には、ツンとしてしまう人もいるんですよ。・・・でも、あくまで私の推測なので、信じるかどうかは貴方次第ですけど」
「アカイトはもちろん信じないよな?・・・アカイトは、私だけのものだ、ジミ。余計なことは言わないで欲しい」
今まで、静かに見守っていたバンが口を挟む。
「・・・あ、すいません。私、恋愛ものとか好きなんです。だから、つい・・・」
「分かればいいんだ、分かれば。・・・ほら、バンもいいだろ?じゃあな、ジミちゃん。また、いつでもバンの研究所に来てくれ、な?」
「私もアカイトもみんないるからな。一緒に楽しく騒ごうじゃないか」
アカイトのフォローじみた言葉に、バンは頷いた。
「ありがとうございます。・・・ところで、ちょっといいですか?」
ジミは、アカイトを見つめた。
「・・・アカイトさんって、女の子受けしそうだと思うのですが、やっぱり女の子にもてるんですか?」
「・・・・さあな。もう恋はしないっていうかできないんだ」
「あ、バンさんがいるからですね分かります」
「・・・そんなところだ」
曖昧なアカイトの苦笑いの意味に気づかないジミはそう呟いてから、
「それではもう十分眺めましたし、私も帰ります。・・・今日の晩御飯は金平ごぼうがいいですねー」
「へぇ、ジミちゃんって、金平ごぼうが好きなのか、俺も好きだな」
「なら、今度マスターが作った金平ごぼう持って行きますね!マスターってば料理が上手なんです!あ、そうだ、もういっそのことお弁当でもどうです?金平ごぼうもおいしいですが、卵焼きもなかなかおいしいんですよっ!」
「・・・ジミちゃんって、マスターのこと好きなんだな」
珍しく一気に長文をしゃべりきったジミに、アカイトは優しく微笑む。
「はいっ!そりゃ、もちの論争にも余裕で勝てるぐらいですよ」
「もちの論争・・・?ま、いいや。・・・ジミちゃん、マスターを大切にな。俺はもう、マスターを大事にできないからさ」
「え?アカイトさん、・・・それ、どういうことです?」
アカイトが言っている意味が分からないのか、ジミはきょとんとする。
「・・・なんてな。バン、帰ろうぜ。じゃあな、お弁当、楽しみにしておくからな、ジミちゃん」
意味を聞かれる前に、アカイトは歩き出した。
「えっ、ちょっと待ってk「それじゃあ、私も帰るとしよう。また、遊びに来てくれ、歓迎する」
引きとめようとするジミの言葉を遮るように、バンはそう言ってアカイトを追いかけた。

「・・・・」

ジミは、しばらく2人を眺めた後、
「分かりました」
と、誰にともなく呟いて、それから自分も帰り道を歩き始めたのだった。




                 

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【コラボ】 ジミちゃんに会うの巻 【亜種】 【番外編】

こんにちは、今回はノートに書いていた番外編というものです!
なので、登場人物は少ないです。
それでもいつも通り楽しんで下されば嬉しいです♪

話は変わって、内容の方を少し。
話の途中に一瞬だけ出てくるジミちゃんがうっとりと眺めていたつたんかーめん。
あれ考えたのは、私の親なんです←
最初は金管楽器にでもしようかなーとか思ってたけど、少し無理があるかなーっと思い、
「ねぇねぇ、黄金のものっていったら何がある?」
と聞いたところ、
「えー、・・・黄金糖?」
「それ食べ物じゃん。物だよ、物」
「んーーーー・・・」
としばらく考えて、一言。
「つかんかーめん」
・・・大爆笑でした←
それで、一発採用←←
・・・・・という訳で、実現しました(笑)

次回は、また新たなキャラが出てくるつもりです!

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投稿日:2010/04/03 14:09:32

文字数:2,511文字

カテゴリ:小説

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