私はいつでも間違いだらけだった。この一生の中で。
償いはきっと、いつまでも終わらない。
君に会いにも行けない。
栄える王国の中心。ルシフェニア城の一室。
2人の大臣が集いて、2人の子供を崇めている。
王と王妃が亡くなりし国。新たな王を求めている。
この国を救うためには為さねばならぬことがある。
「王子アレクシルを新たな王へ」
「王女リリアンヌを新たな王女へと」
「「推そう。」」
動き出す政治の闇。政治紛争が今始まった。
王女の前には1つ黒い箱。それは母の眠る棺。
この国を救えるものはもういない。迫り来る他国の軍勢。
小さな手振り翳し、国を統べる王女。
記憶を忘れ去り、一人孤独に。
もう操られるのは沢山なの。
大人の都合は嫌だ。
自分自身でこの国を統べたら。
胸を張って君を取り戻そう。
王とは一体何なのか。この国を背負いし者。
父や母にも出来たんだ。私にもきっと出来る。
罪は決して消え去らぬのだ。
声を上げた者がいた。
老婆の野望を止めるため。
3人の英雄はそれぞれの武器を取る。
王女の大罪の全てを消し去ろう。
『罰』は既に下されたのだから。
過ちを二度と繰り返さぬよう、今こそ我々が支えよう。
禁じられた七つの罪、その身に宿る。
その罪過は過ぎた食か、あるいは否か。
人の魂など所詮は、ただの脆い塊に過ぎない。
傲慢の悪魔は取り憑き、心に深く根付いていく。
その侵食を止めることは出来ぬ。これは悪食よりも深過ぎる。
それを止めることが出来るのは、もはや一人としていない。
この世で別人となって生き続けていた、彼が成長して出会った本当の姉。
廊下を走る彼女を見つめ続けながら、どんな事を想うのか。
父と母の時代が終わりを告げ、そして、終わりへ時が進み出す。
これは終焉の物語。何から語りましょうか。
この国は滅びる。この国は滅びる。
この国は滅びる。この国は滅びる。
「じゃあね。」
辿り着いた王城。彼女にとってそこは、怨敵の住む場所、そして父の居た場所。
兵士など所詮傀儡、真に倒すべき的は、傲慢な王女リリアンヌ一人。
あぁ兵士達、何故にお前達は彼女を守るのか。あの娘はそれ程の価値などないというのに。
邪魔すると言うなら温情などかけない。私は赤き鎧の女剣士ジェルメイヌ。
遂にその時はやってきた。終わりを告げる声が響く。
あれは王女の部屋の扉。罪を裁く時。
如何なる言い分があろうとも、その罪は消えない。
粛清されなさい。
「この、無礼者!」
私はいつでも間違いだらけだった。この一生の中で。
君をずっと、忘れてしまっていた。そう、君の名は。
「アレクシル」
王女を探し求めた少年。扉の奥に彼女はいた。
国を乱して、緑狩りをし、悪ノ娘と呼ばれた姉。
崩壊の寸前少年は、私と服を交換した。
泣きじゃくる私を抱いて、彼は最後にこう呟いた。
「大丈夫僕らは双子だったんだ。きっとバレないさ。早くあそこから逃げて」
迫りくる処刑の時間。私には何も出来ない。
「あら、おやつの時間だわ」
最後の言葉。ギロチンは酷く、遅く感じた。
小瓶が落ちる。願いは届かない。
きっと私もいずれ、裁かれる。
白い髪のあなたが振り翳したナイフ。
それ以上にあなたに与えられた贖罪。
「あなたはリン、生きて罪を償い続けなさい。」
涙を零して貴女と泣いた。
大丈夫私はあなたが居なくても生きていける。
王女の罪は私の罪だから。
さぁ小瓶を握り前に進もう。
いつかあなたに出会うために。
ほら、周りを見てごらん。
世界はこんなにも美しい。
そんな世界で、1人の修道女が。
安らかに、今、目を閉じる時。
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想