タグ:悪ノ娘_SS
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貴方のことが、好きでした。
世界がどれだけ残酷でも、どれだけ私がこの世を生きていくのに不向きな性格でも、ただ一人。あなたがいれば、もうそれだけで良かったんです。
貴方の明るく澄んだ声を聞くと、一日良いことが起こるような気がしました。
貴方が私に向かい笑ってくれるだけで、涙が出るほど幸せで満た...最愛の貴方に
寒桜
『魔女狩り令』を発令してから、かなりの時間が流れた。
いまだに、ジェルメイヌやエルルカは捕まらない。それどころか、有益な情報すら掴めずにいた。
一体、魔女達はどこへ行ってしまったのだろうか。もしかしたら、我々の想像よりも遠く離れた.....そう、蛇国くらいまで逃げているのかもしれない。
王で...『魔女狩り令』と王と魔導師
亜龍
ある晴れた日の昼下がり。
私はグーミリアに修行をつけていた。彼女はまるで乾いたスポンジが急速にたくさんの水を含むように魔法を覚えるのが早くて助かる。しかも折り紙つきの真面目さでコツコツと丁寧に基礎から固めていく。この調子なら近い将来に二人でクロックワーカーの秘術を使い、ルシフェニアの崩壊を防げるかも...夢と欲望と現実
ナユ
うららかな日差しに思わずうたた寝をしたくなる、ある日。とあるマスター宅で、一つの事件が起きた。
「レンーー!!」
りんちゃんのおへやというプレートがかかっている部屋から、悲痛な叫び声が響き渡る。
また何かやらかしたのか、とレンは嘆息し、入るぞ、と声をかけると戸を開く。
「今マスターが俺らの...とあるVOCALOID達のてんやわんや
寒桜
私はどうして人々の笑顔を大切にできなかったのだろう。この後悔は世界が滅びてからさらに押し寄せてくる。今は今だ。もう終わったことは戻ってこない。後悔と共に疑問がわいてきた。それは
「悪とは一体なんなのか。」
私の双子の弟アレンがずっと思ってたことでもある。ここではみんなが揃っているから聞いて回ってみよ...悪とは一体なんなのか
夕焼け
──侍女長が死んだ──
私は、家に来たアネさんに、そのことを聞いた。革命軍の会議で、マーロン国王カイルから、告げられたらしい。
「じ、侍女長が……」
声が、体が、震える。
心臓の音がうるさい。
「死因は、ナイフの刺し傷だったそうよ」
だから、私のせいではない……とでも言うように、アネさんは私の背中を...残サレタ者
亮也
「こんやくしゃー?」
リリアンヌは首を捻った。
「それはなに? あまくておいしいものではなさそうね」
王家に生を受け、将来一国を背負う立場になるかもしれなくとも、彼女は6歳の──それも、記憶を失った──幼い少女でしかなかった。
「リリアンヌ様が将来、結婚なさる相手のことですよ」
「けっこん! えほん...二人ノ出会イ
亮也
ある春の始めのこと。とある国の王宮で、王女様は呟いた。
「__今日のおやつはなにかのう…」
今日は王女付きの使用人の一人が、街に買い出しに行っている。その使用人は王女様__リリアンヌにとって特別な存在だった。そして、彼女は今無性にその使用人の作るブリオッシュが食べたくなっていた。
だが、今日...約束
リベル
「あら、おやつの時間だわ」
この光景は何回目なのだろう。
(またダメだったか……)
悲惨な光景を前に泣いているリリアンヌ
「「もしも生まれ変われるならば……」」
……はっ!
そう言って僕は、小鳥と共に目を覚ました。
「朝…か…」
リリアンヌを救う為に、僕は幾度となくこの展開を繰り返している。
「今日...暴君王女更生物語
とろたく
「…ふぁぁ…んー…」
朝が来た。いつもに比べてちゃんと起きれただけマシ。徹夜の仕事とかなくて良かった。なんたって今日は…
「休み…か。まぁ私なんて年中休みみたいなもんだけどね」
そんな自虐的なことを呟いて体を起こす。グーミリアは…ベッドに居ない。どうやらもうとっくに起きているようだった。朝早くから何...何も無い日
ライ
教会の鐘がその大きな音を二回響かせた時、私はルシフェニア王宮の厨房にいた。
レヴィン大教会の鐘は、王都ルシフェニアンのどこにいても判別できる。この王宮にもすぐ何時かわかってしまうほど大きな音が届くので、教会の周辺で鐘の音を聞けば耳が壊れるのではないかと、この国にきた幼い頃の私は感じたほどだ。不思議な...もうひとりの
ゆるりー
これは、黄のクロアテュールとは少し違う歩みを進める世界。
そんなこともあった、日常の物語。
☆彡
ルシフェニア王国よりも、遥か東にある、蛇国という島国。その国では、日頃お世話になっている父と母に、感謝の気持ちを込めて贈り物をする習慣があるそうだ。
働き始めて半年、国の財政事情から後回しにされ...想いを込めた贈り物
メウメウ
黄の国で双子が生まれたとの報せを受け、招かれたお城でアルカトイルとくだらない喧嘩をして外に飛び出したのがおそらく2時間前。
無我夢中に城下を駆け抜けエルドの森に入ったのがたぶん1時間前。
迷ってたまるもんかと昔読んだ童話のように、森に実っていたトラウベンの実を落としながら帰りの道しるべを作って...青の国の迷子様
アカメ
それは黄色の髪の民を見かけなくなり、黒い髪の民を中心に栄えている島国に来たあたりだろうか。
共に旅をしている緑の髪の少女が、私のフードをちょいと指にかけた。
「何?グーミリア」
「…エルルカ、あれ」
グーミリアが指で示した先には、湿地帯と感じられる、特有の地面からの鈍い光。
そして、黄色い軸を中心に...カラー
ogacchi
ルシフェニア国首都ルシフェニアン。その中央に設立された私立ルシフェニア学園。一階の突き当たりに位置する一室を金髪の少年が訪れる。
「遅いではないか!何をしておった!」
少年が部屋に入ると同時に怒号が飛んでくる。その声の主は少年に瓜二つの少女だった。部屋の中には少女だけではなく他にも何人かの人影と...悪ノ娘物語
IRis
「うわ、もうおやつの時間」
ガラン、ガランと手持ち鐘を振りながら、当直の修道女が施設内を歩き回る。
エルド修道院にも鐘楼は有るけれど、革命前の物資不足で鐘が取り外されてから、こうして時間を知らせに自分達で施設内をまわる様になったらしい。
私は礼拝堂の掃除を切り上げて食堂へ急ぐ。
焼きたてのブリオ...黄昏ト鐘ノ音
仔羊
呑気に鼻歌を歌う我が子を眺め、俺--レオンハルトはため息を吐いた。果たしてこれから、一体どのようにこの子と接すればよいものか。そう考え、また一つため息を吐く。
今までは、ただ、いざという時の身代わりとして育ててきた。先日、思わず庇い、きちんと父と娘であること、彼女の盾になることを決意するほどには...赤イ鎧ノ女剣士ト悪ノ召使ノ灯火
寒桜
“今夜十時に、部屋に来てほしい”
今日のおやつの時間、リリアンヌが食べ終わった皿を片付けている時、リリアンヌから羊皮紙の入った小瓶を手渡された。
そして、僕アレンは今、リリアンヌの部屋の前にいる。こんな時間に呼び出されたのは、初めてだった。
おそらく、他の人には聞かれたくない用事なのだ...王女の怖いもの
亜龍
__平和だなぁ。
教会での一日の仕事を終え、休憩中の私は、夕陽を呑み込もうとしてオレンジ色が混じった海を眺めながら、しみじみと心の中で呟く。
波打ち際から少し離れた浜辺に座っているのは、波に巻き込まれてしまう恐れがとても高いから。座った後に「何か敷けば良かった」と思ったけど、遅かった。まあ、いいか。...diva of the beach
銀子
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誰が歌うか 子守唄を歌うか
それは私よ 白い蛇がそう言った
藪の木々と 大樹に祈って
私が歌おう 賛美歌を歌おう
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カタリという物音で私は目を醒ました。目をこすって私のいる部屋――使用人用の寝室――を見渡すと、閉め切っていたドアがほんの少しだけ開いている。ベッドか...駒鳥の私は愛おしいあなたに讃美歌を贈ろう
orca
町を駆け抜ける少年たちの足音と大きな声。
その後ろを、赤髪のツインテールを大きく揺らしながら必死でついて行った。
「待つッス!! 私を置いてくなッス!!!」
幼い頃から、この口癖と性格はすでに出来上がっていたようなものだ。同い年の女の子が花を手に取り花冠を作る一方で、私は木の枝を手に取り男の子と戦士...アネさんと慕う理由
MaKi
町はずれの小さな港。金髪の少女が祈るように佇んでいる。私は彼女に気づかれぬように背後からゆっくりと近づいた、月明りで輝く一本の刃を手に宿して。
私が彼女と出会ったのは革命が終わった後だった。港町での朝市からの帰り、修道院のそばで倒れている彼女を見つけた。少し意識があったのか何かをつぶやいたようだ...Nobody know
クロヤ
「美味しいお菓子を作る魔術を教えて欲しい?」
私は光るネギに向かってそう尋ねた。
「はい、そうなんです。どうしても教えて欲しいんです!」
するとネギの方からも声が返ってくる。
予め言っておくが、これは別に、私が幻聴が聞こえる危険な人物だったり、一人二役で人形遊びをする寂しい人物だったりするわけ...magic of the sweets
IRis
一人の青年が修道院を訪ねて来た。
「クラリスさんはいますか」
初めて見る顔だ。自分よりも年上だろう。
「はい、私がクラリスです。どちら様でしょうか」
「ああ、貴女が」
青年がはにかむ。
「僕はエルフェゴート軍に所属していた者なんだけど、エインって知ってる?」
突然その名が出て驚く。もちろん知っている...過去からの手紙
くろ猫
...嗚呼、やっと私も天に召される時が来たのね...。そう、もしも...
もしも、生まれ変われるならば...
...?あれ?
眼下に広がるのは、思い出の海。昔、アレンとよく遊びに来てたっけ...
っじゃなくて。どういうこと?私は確かにさっき、修道院長リンとして死んだはずだ。
これが走...王女に悪魔が憑かなかった日の話
亜龍
今日から家族になる子だと言って父さんが連れて来た少年は金髪碧眼で典型的なルシフェニア人だった。キラキラとした髪に何かこの世界の闇を知っているかのような暗い瞳に私は単純に興味を持った。だから私は少年に手を出して
「私はジェルメイヌ、よろしくね」
と言った。
少年は少し悩む素振りをして私の手にその幼い手...Rêve éphémère
らぶ
さて。
僕はなぜ、ワンピースを着ているのだろう。
僕はなぜ、ここに居るのだろう。
考えたくはない。
だが答えは分かっている。
それは、数時間前のこと___
「このくじが当たった者は、一日わらわのおもちゃじゃ!」
きっかけは、リリアンヌのそんな一言だった。
周りを見ると、シャルテットやネイたち、他...鏡写しの主従
春夏菫 VIOLet
プロローグ
興味深い事実は多くあるが実際に公表することのできる話はほんの一部だ。
その一部の中には真実を語っているとは言い難いものある。果たしてどのような形になるのか…私にも分からない。
現在、取材を進めてはいるが世に出すことは困難であろう物語を以下に記す。
鏡の中の住人
塔に夜は来るか
プラトーの...悪ノ娘の処刑人
センリ
夜、深い夜。
私は目を開けた。
私はSenaで、どうしてここに来ることができますか。
目の前に金髪の少女が立って、「あなたは元気ですか?」私は無理に立ち上がったが、また倒れてしまった。思えば、それは「悪の少女」リリアン。
目の前は真っ暗だ。
なぜ、この私の家族を殺した女の子は、私を助けてく...Senaのストーリー
陌君サクラ
悪ノ娘は生きている。
ルシフェニア革命から数年後に出回った噂だ。
処刑されたが生き返ったのだ、とか、実は影武者がいたのだ、とか、そもそも処刑される前に逃げ出したのだ、であるなど様々に語られている。
本書ではこの噂について検討していく。
まず初めに、「悪ノ娘」ことリリアンヌ=ルシフェン=ドートゥリシュ...「悪ノ娘」に捧ぐ
くろ猫