それはある夜。今日はライブの帰ってすぐの玄関にて。

「お帰りなさい、幸宏さん」

 新婚の新妻のように彼を迎えるミク。可愛らしい青緑のフリルをあしらったエプロンを纏い、カレールーのこびりついたお玉を持ち、満面の笑みを浮かべている。

「ただいま」

 それだけ言って、幸宏は靴を脱ぎ、ミクを避けてリビング兼自室へと歩く。

「ゆ、幸宏さん? もう少しでご飯できますから。今日はカレーライスですよ」

 微かに幼さの残る、彼女の笑みの含んだ顔。しかし幸宏は彼女に振り向きもせず、冷たい視線と無機質な声色のみを放つ。

「夕食後話がある。大事な話をな」

「は、はあ……」

 異質な雰囲気を漂わす幸宏に、彼女は少しばかり恐怖した。


〇 〇 〇


 両者、完全沈黙の夕食後、ミクをテーブルの向かい側に正座させる。彼女は冷や汗を滲ませて恐そうな幸宏の瞳を見つめる。

「では、話をしよう。最初にお前に、しばらくしたらここを出るよう通告したはずだ。だが、お前は一向に出ようとはせず、住み着き始めている。どういうことだ」

「そ、それは幸宏さんの家がとても住みやすくて、パソコンもあるし……」

「ふざけるな!!」

 幸宏の怒号にミクは肩を震わせて固くなった。

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Fragile angel 13

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投稿日:2010/10/31 10:51:03

文字数:531文字

カテゴリ:小説

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