こういうお話を知っているかい?
夜道に一人歩いていると
前から大きな荷物を背負った男がきて
こう言うんだ。
「仮面はいらないかい?」とね――。

話に聞く所によると
その仮面はその人間が
押さえ込んでいる感情を表に出させて
開放的にさせるらしい。
噂を聞きつけて
明るい自分になりたいと願う
人間達が群がったそうだ。

ある女の話をしよう。
内向的な彼女は男から
仮面を買った。
代価として払うのは言葉。
彼女は「うるさい」という
言葉を売った。
それから彼女は明るく正直者で
人気者になったそうだが
ある日何気なく
「うるさい」といったばかりに
彼女も仮面になってしまった――

あはは、どうだい愉快だろ?
売った言葉を言えば
その人間もまた仮面になってしまうんだ。
まわるよまわるよ愚かな人間の
仮面とのワルツが目に見える♪

こういう話もあったよ。
暴力的な親に自分の意見を言いたい
子供が男から仮面を買った。
代価として払った言葉は
「なんで」
親に意見を言うはずが
討論となり果ては
親を殺してしまったそうな。
そうして子供はつぶやいた。
「なんでこんな事に」
その時からこの子供も
男のコレクションの仲間入りさ

あはは、どうだい愉快だろ?
どんなに言わないと決めていても
つい言ってしまうなんて人間は愚かだ
見えるよ見える、仮面にされて
もがき苦しんでこの苦しみを
他人に擦りつけようと
仲間を増やそうとする哀れな仮面の表情が♪

さてお話はここで終わりさ。
それにしても君は
よくここに来るね。
え、僕の話が面白いからだって?
あはは、まいったなあ
そんなに面白ければ
これからずっと近くで聞かせてあげるよ♪
『じゃあ、仮面買わない?』

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

仮面屋

小説として書きたいぐらい気に入っている設定です(--
カイト兄さんじゃ爽やかすぎる気もしますが……w

閲覧数:84

投稿日:2008/10/29 21:09:32

文字数:726文字

カテゴリ:歌詞

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