そして、翌日。
「シン。この前の安田教授の件だが」
「どうなりました?」
「受けていただけるそうだ。今週土曜の午前だ」
「…良かった」
「今回の件は、安田教授も気にされていたらしくてな。…まあ、あの方らしいが」
「…実は、ミクにも今回の件で僕が悩んでいることに勘づいているみたいなんです」
「…だろうなあ。何せ一緒にいる時間が長げえんだ。それ位分かるだろ」
「はい…。それで、ミクに自分だと相談相手になれないのかと詰め寄られました」
「どうしたんだ?」
「悩んでいるのは事実ですが、ミクには相談できないと思ったので、話せるようになったら話すというのが精一杯でした。ミクがそこまで推測しているとは思ってなかったので、頭が真っ白になったのもあります」
「…まあ、ミクちゃんよりは安田教授のほうが今回の相談には向いてるだろうからな」
「…だけど、ミクの気持ちも分かるんです」
「ミクちゃんとしてもマスターであるシンが悩んでいるのを目の当たりにしながら何もできねえのは歯がゆいだろうなあ」
「…はい」
「っつっても、シンが話せたとしても、シンのミクちゃんだと解決策を出すことは難しいと思うから、かえって重苦しい雰囲気になったかもな。そう考えると、いわなかったのは正解かもしれん」
「そうですか…」
「安田教授もその辺りは気にしておられていらっしゃった。今週の土曜日という日程は、シンが悩む期間を短くするために早めに設定してもらったんだよ」
「先輩、ありがとうございます」
高野の心遣いに感謝する神波。
「ただよ、この話はシンだけの話じゃねえ、遅かれ早かれミクちゃんも他人事じゃなくなるかもな」
確かに、高野の言うとおり、人間関係であれば、量産型のミクも巻き込まれる公算が高い。
「…どうすれば良いでしょう?」
「自分で考えるしかねえな。多分安田教授も同じ考えだと思う。あの方は、自分の考えを押しつけるのはあまり好まれない方だからな」
「そうなんですか?」
「情報は提供するが、あくまでこんな考えがある、程度だろうな。最終的にシンが結論を出すことになると思う」
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