スキゾフレニア(schizophrenia)

小春日和の夢を見た　窓の外に霖々と降る霢霂(みゃくもく)
剽窃したはずのレポートは　ビニール傘を惑わせた
一石日和の玉葛(かずら)　水と光と炭化酸素を浴びる
漂白したはずのスカートは　泥水(でいすい)で濡れていた

遮断機の信号を無視する少年
正当化するにはそれしかなかった

揺れる心臓は　くたびれてしまった君を汚すから
落ちる落ちるさらに深く　依存早めてしまう
蒸れる進行は遊ぶ(すさぶ)まま言った倫理を焦がすから
「ともに最後まで行こうよ」今を生きていても行く宛ないから


終わる希節(きせつ)の暮を見た　窓の上に霖々と降る霢霂
このふたりぼっちの僕たちは　未知の朝を遅延した

何に対しても頭下げる大人
正当化するにはそれしか有りはしない

揺れる体は歩みを止めた逃げ場用意のため
踊る自分の掌で　零人称の刑
恨む人狼は君だけを食べた吟味の後の道
「ここに愛を。」「まだ足りないよ？」
息を忘れるほど寝かせてあげるわ


意味深な間違い(かんちがい)も幻覚で　自家製の嬌声も幻聴で　雨に濡れた標識は透明で
甲高い時計の音と地震の模様　知らない天井を見る

揺れる心臓はくたびれてしまった　日々は戻らないから
悲しかった思い出さえ　君とともに消える
蒸れるハンカチは濡れてしまった人智を超えるのは
やめようやめようここで終わろう
記憶消えていたら気が気じゃないから