首を噛んで癖になる
グラスまで注ぐ術を
この覚えのあった感情は酷く甘い味蕾

白いカトレア　真っ赤に染まる
類似させた愛のカタチ
偏食気味で錆がお好きな
稚さを残したまま

どうしてこんなに苦しくて
隅から隅まで全部
真似た拙いキスを
嫌になるほど噛みついて
滴る雫は透けた　夜の中

真っ赤に染まったそれを
愛らしさばかりが増えていく
たったひとつさえくれない
悪戯か？それとも甘いお菓子か？

一度噛んで癖になる　口に残ったまま次を
この覚えのあった感情はまるで愛のカタチ

お目目が合えば不意に背けて
胸の内が増すばかり
夜に紛れた
エナメル質のいつも僕は違ってばかり
今夜は紅で染まってしまった花
鼻腔を擽る試香紙(ムエット)
意図も容易く歯を立てて
所詮はお食事　なんて美味な味

皮肉な言葉と戯れを
どんなに上手に
敢えて飢えは満たなくても
甘いお菓子か？悪戯か？それとも..
その先　すべて夜の中

「ねぇ、今夜はくれないの？」
こんなに苦しいほどの
真似てみせたキスを
いつも違ってみえた愛のカタチ
首に噛みついて



※ふりがな
くびおかんでくせになる
ぐらすまでそそぐすべお
このおぼえのああたかんじょおわひどくあまいみらい

しろいかとれあ　まあかにそまる
るいじさせたあいのかたち
へんしょくぎみでさびがおすきな
いとけなさおのこしたまま

どうしてこんなにくるしくて
すみからすみまでぜんぶ
まねたつたないきすお
いやになるほどかみついて
したたるしずくわすけた　よるのなか

まあかにそまあたそれお
あいらしさばかりがふえていく
たあたひとつさえくれない
いたずらか？それともあまいおかしか？

いちどかんでくせになる　くちにのこおたままつぎお
このおぼえのああたかんじょおはまるであいのかたち

おめめがあえばふいにそむけて
むねのむちがますばかり
よるにまぎれた
えなめるしつのいつもぼくわちがあてばかり
こんやわくれないでそまあてしまったはな
びこうおくすぐるむえと
いともたやすくはおたてて
しょせんわおしょくじ　なんてびみなあじ

ひにくなことばとたわむれお
どんなにじょうずに
あえてうえわみたなくても
あまいおかしか？いたずらか？それとも..
そのさき　すべてよるのなか

「ねぇ、こんやわくれないの？」
こんなにくるしいほどの
まねてみせたきすお
いつもちがあてみえたあいのかたち
くびにかみついて