鏡の中にいた
君の記憶を連れ出して
形造る
生命の意味を
その生涯を
最期はきっと
君のように綺麗じゃないから
これを
僕が生きる意味とする

灯りのない
アートワークが僕の住処で
陰りがない
どうしようもない君が嫌いだった
世迷言を垂れた承認欲求が好きだった
世界の情勢なんて悪化した方が好きだった

君の愛嬌が
これまで過去を吹き飛ばした
狭い世界だけで出来上がっていた
この価値観が
あの夏の終わりに
全てが壊れた音がした
僕の世界から
眩しい月光が消え去った

時が経ち、君がいなくなった部屋に
取り残されていた落書きを見つけた
それの意味なんてないのだと思うが
意味というものは後世に残った僕らが決めることである
例えその真意が曲がって伝わったとしても
人々は納得し、そして忘れるのだろう
この世に生まれ、歴史に名を遺すのは
ごく一部の運に恵まれた人間であり
その大半が薄く刻まれて終わるものだ
この小さな箱庭に壁の向こうの存在を教えてくれた君を
そんな簡素なプレートに収めたくないから

清濁を暈す白塗りの価値証明を見てくれないか
厚塗りで掻き消す批判ノイズは
黒く染まったんだ
そうさ僕のエゴを付け足して
他人目の歪んだ愛をあげて
コーティングされた悲しみで
数百年生きる君を作るのだ

限りがない
色彩に満ち溢れた住処で
愛という
言葉は宙を舞うのでしょうか
オリジナリティを出すために他人を蔑むその意味を
探すなら深い不快海に沈むアイロニー

結局芸術とは、答えがない表現欲求で
その欲を満たすために数多くの人間が消えていきました
他人を想って、現実を想って、自分を思って
欲を満たすために世界を糾弾しました
「芸術は爆発だ」と世界が揺れて
芸術を規制しようと、活動家が動く。それこそがまた一つの芸術である
何気ない一幕がテーマとなり、
白紙の上に地層ができ、意味が生まれ、世界が誕生する
その流れを『爆発』というのだろうか

正解を殺す耳鳴りを
愛と呼ぶエピクロス主義者に
ナイフを突き刺してくれないか
赤く染まる彫刻
そうだ僕の脳に焼き付けて
夢の中でも青を描いて
クラフティングした哀しみで
数百年生きる君を造るのだ

君が息をしていた瞬間
君が暇そうに寝ていた瞬間
僕の絵を褒めてくれていた瞬間
その全ての時を形にしたかった
それこそが僕の欲で僕の目標で僕の夢だ
誰にも気づかれなかった君を
気づいてあげられなかった君を
僕が作って世界に知らしめたい
その世界に意味という名の固形物ができ
咀嚼し、その身体の構成要素となる
きっといつか、食べた誰かの礎となって
また君が生きる

清濁を濁す黒塗りの過去証明を見てくれないか
モザイクで揉み消す批判ノイズは
黒く染まったんだ
そうさ僕のエゴを付け足して
他人目の歪んだ愛をあげて
コーティングされた悲しみで
数百年生きる君を創るのだ

権利目的の押し問答で
鋭利な刃物を押し当てる大衆と
シャッターチャンスを逃さないように
人の目を気にしないマスメディア

名声に呑み込まれた歯車に噛まれ
無理矢理捻じ曲げられた君を
修復できないか試みた丑三つ時

埃被った部屋で
世界の不幸を願っていた君は
最期まで世の醜さを泣きながら訴えていた
そんな君を描いたこの絵は世界に対する警告だろうか
それとも僕への呪いなのだろうか

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

[歌詞]『数百年生きる君を』feat.ナースロボ_タイプT

『数百年生きる君を』の歌詞です

閲覧数:12

投稿日:2025/11/30 13:27:25

文字数:1,394文字

カテゴリ:歌詞

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