月曜日、いつも通り私は学校に登校した。
特にこれと言った出来事もなく、放課後になった。私はクラスメイトにさよならを言い、皆いなくなるまで教室に残っていた。
私以外、誰もいない。それから私は教室を出て、隣のクラスへ行った。部屋に入る前に携帯を確認する。
『月曜日の放課後、話がしたい』
ただそれだけの内容のメール。送り主は、レン。リンちゃんにもグミちゃんにも、このことは言わなかった。
がらり、と扉を開ける。中には見慣れた人物がいた。
「話って、何? レン」
私はその人物―――レンに問いかけた。レンは何も答えない。
話があるって呼びだしたのはあんたでしょ……! 私はそう言いたくなった。
「……ミク」
やっと、レンが口を開いた。何、とは言わず、そのまま続きを促す。
「今まで、本当にごめん。悲しませて、ごめん」
「なんだ、話ってそれだけ?」
レンの言葉に、私は苛立ちを隠しながら言った。
「それで……俺、ミクのこと、嫌いなわけじゃなかったから」
……回りくどい。そういうのは、はっきり言ってもらわないと嫌。
「俺、ミクのこと、好きだったから。だから、告白されてOKしたわけだから。結局、振っちゃったけど……」
あぁ、もう。なんで今そんなこと言うのかな。
「遅いよ……。私は、付き合ってるときにそう言って欲しかった……! レンの馬鹿! ホントに、馬鹿……」
泣けてきそう。手をぎゅっと握る。爪を立てていないと、堪えられそうにない。
「ミクは、俺にはもったいないくらいの彼女だったよ。今まで、ありがとう」
レンは、笑った。……私が好きだった、笑顔で。
「……ホントに、もったいなかったわよ」
私はレンに背中を向けた。教室を出る。
そこで私は、えっと誰だったかな……そう、初音ミクオと出くわした。
「あれ、初音? どうしてここに……あ、オレは忘れ物取りに来たんだけどさ」
へらっと笑う初音くん。
「私は……」
そこまで言って口を噤む。だけど、教室の中の人を見て、「あぁ、そうか」と彼は呟いた。
「まだ、吹っ切れてない?」
穏やかな口調で、彼は言った。私はゆるゆると首を振る。もう、吹っ切れているつもりだったから。
「忘れ物、別に明日でも間に合うし……。帰るか、初音」
私は、何も言わずに、頷いた。
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