101個室で眠る夜

 借りてきた 髪の飾りを
 知恵の輪に
 胸の飾りに 組んで
 灯(ひ)を消す



102目が覚めたらミクがいた(「ミクのいない日」)

 起き抜けの
 結ばぬ髪をそのままに
 夢の扉を
 越えてくるひと



103長髪組はいつもお風呂は最後なの
初音なのに初湯はないの
みんなの出汁を私がいちばん吸ってるの

 湯あがりの
 おろしたミクの
 うしろ髪
 扇いで語る
 時をいとしむ


104ルカの視点

 私より
 すこし大人なひとと知る
 髪をおろしたきみは
 わが姉


105私のきょうだい

 つつまれて
 心の底が声になる
 私の姉は
 あなたなのです


106みっくみくラリアット

 ルカまでは
 私のうでの届く距離
 ロスもノイズも生まれぬ世界


107リンちゃんはやく!(ミクアーム対ルカボディ)

 せいいっぱい指まで伸ばし
 その中に
 まだいけるよと
 入れてあげよう


108クオ・ワディス

 「ミクさんはどこへ行くのか」
 「ミクさんとどこに行くのか」
 問いの、立て方


109ミクさんのスペックにはまだ若干の余裕があるそうです
 
 世の中のすべての本気
 受けとめて
 涼しい顔で倒れてみたい


110ミクルカ相聞歌(feat. magnet)ルカより

 大切なあなた と 叫ぶ
 すぐ横に
 立ってるひと に 届かす ように


111ミクルカ相聞歌(feat. magnet)ミクより

 その声は わたしに 届く
 いままでの プログラム みな
 リセットさせて


112ミクルカ相聞歌(feat. magnet)補遺

 おたがいを あわせ つくして
 そのおくに
 すべてをみだし
 もえたつ あつさ


113胸の飾りをミクさんに直してもらうルカさん

 気になれば
 曲がっていても いなくても
 ミクに飾りを 直してもらう


114胸の飾りをミクさんに直してもらうルカさん(2)

 手にすれば
 曲がっていても いなくても
 ルカがかがやく かたちに飾る

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【ボカロ短歌集】唯音論(ゆいおんろん)101首目以降

ボカロがらみの短歌101首目以降です。

閲覧数:821

投稿日:2021/05/11 21:24:33

文字数:878文字

カテゴリ:その他

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