「授業始めまーす」
先生が教壇に立つ。
「じゃあ、昨日の宿題出してー。答え合わせします」
がさがさと机の中をあさる。
・・・・ん?
(あれ?確か昨日、宿題やって机の上において鞄の中に入れ・・・)
てなかったー!!!
「初音さん。問1の問題答えなさい」
答えるも何も、宿題が無いから答えられないよー!!
「え・・・えっと」
「何?忘れたの?」
先生の三角メガネがきらりと光る。
「-7」
え?
「ま・・・-7です」
「何だ、分かるじゃない」
ほっ
先生は少し残念そうな顔をして、次の人を指した。
私にコッソリ答えを教えてくれたのは・・・
「次は忘れんなよ」
お兄ちゃん。
「う・・・うん・・・・」
放課後になると、真っ先にリンちゃんの教室に向かう。
「リンちゃん!」
キーンコーンカーンコーン・・・
ベル着に遅れた私だけど、今度は間に合った。
「せんせぇ?」
でも、リンちゃんは私なんか眼中に無いみたいで、近くにいた先生に話しかけた。
確か、新しく来た神威がくぽ先生だっけ?
「な、なにかな?鏡音さん」
「あたし可愛いですか?」
出た、
リンちゃんお得意の質問!
「う、うん。可愛いよ」
「リンちゃん、可愛いですよね!」
私もリンちゃんとがくぽ先生の間を割って入った。
神威先生って、長身で顔も整っててワイルドで、リンちゃんの好きそうなタイプだなぁ・・・
「ミク先輩、こいつに合わせなくてもいいッスよ」
リンちゃんの隣の席の鏡音レン君は、呆れたような口調で言った。
「合わせてなんか無いよ!ほんとに可愛いんだもん!!!」
ついムキになって言い返す。
だって、ホントにリンちゃんは可愛いもん!!
「レンも素直じゃないね!素直に可愛いって言いなさいよ!」
「お前のどーこーが、カワイイッつうんだよ」
そりゃぁ・・・・
「ぜ」
「全部」
「馬鹿じゃねーの」
私が言う前にリンちゃんが自分で言った。
さすが、リンちゃん!
「用事があるから、そろそろ・・・・」
「あ、さようなら」
神威先生が教室のドアを開けたとたん、
「カイト先輩!」
リンちゃんは先生にぶつかって、ちらりと覗く青い影に駆け寄った。
「あ、・・・・」
「こここここ、こんにちは・・・!」
リンちゃんはお兄ちゃんに一生懸命挨拶をしていた。
自信満々なリンちゃんも魅力的だけど、真っ赤になって好きな人のために一生懸命なリンちゃんも魅力的・・・
なんか、微笑ましいなぁ・・・・
「ミク」
「お兄ちゃん!」
ハッと正気に戻った。
「お兄ちゃん、また朝遅刻したでしょ!いつも起こしてるのに起きないから・・・・!!」
「うるせぇーな・・・」
私も遅刻したけど、お兄ちゃんも遅刻したに違いない。
だって、朝起こした時「もうちょっとだけ・・・」なんて言って二度寝してたし、昨日夜遅くまで遊んでたし・・・・
もう!ちょっとは早寝早起きを心がけたらどうなの!?
私は早寝早起きしてるけど、ただ朝ごはん食べたり顔洗ったりするのが遅いだけ!!
ふと、教室の隅っこにいる女の子が目に入った。
(あ・・・あの子)
巡音ルカちゃんだっけ・・・・
確か今日の朝も、男子がルカちゃんの話してたなぁ。
美人でスタイル良くて無口でミステリアスで・・・・
ドジな私とは正反対・・・
そんな色っぽいルカちゃんも、私の憧れ。
「鏡音リンです!名前、覚えてくださいネ・・・・」
リンちゃんの方に視線を戻した。
「あ、知ってるよ」
お兄ちゃん、リンちゃんの事知ってるんだ!
あ、私がリンちゃんのこと超可愛いって言ったからかな♪
「ミクとレンから聞いてるよ。超可愛くて超ナルシストだってね」
ズコーーーー!
レン君!超ナルシストは余計でしょ!?
「早く帰ってね!いつまでも遊んでちゃ、だめだよ!!」
「わあーってる、じゃあな」
ホントに分かってんの!?
何はともあれ、リンちゃんの恋が成就しますよーに★
コメント1
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はちや
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ご意見・ご感想
華龍
ご意見・ご感想
こんにちは~!!
おお!!まさかあの場面にルカのことがあったなんて!!!
確かにレンきゅん…超ナルシは余計だよぉぉ(T□T)
ミクも恋をしてね~!!!(余計なお世話だ
続き楽しみにしてますね!!
2010/04/17 14:31:39
どーぱみんチキン
まさかのルカシーンですww
レンきゅん余計なことを言っちまいましたね・ω・`
ミクは誰に恋をするのか!?
それはお楽しみです(´▽`*)
2010/04/17 15:37:15