タグ「オリジナル」のついた投稿作品一覧（22）

前略
明日になったら人生が変わってたらいいねって
笑いあってた時のことをふと思い出したんだ
あの言葉の本当の意味がわかったのはつい昨日のこと
君が死んだあの瞬間のこと
最近はよく嫌な夢を見るんだ
絶交したあいつと談笑する夢
昔好きだったあの子に嫌われる夢
馬鹿にしていたあいつが幸せそうに笑って暮らし...

境内に猫ひとり 簡単に猫被り
悪人でもピースは出来る
境内に猫ひとり 痘痕も靨になり
結局自分が一番可愛いって ヒトはみんな知ってるんだ
境内に猫ひとり 想像には難くない
善人でも舌打ち出来る
境内に猫ひとり 同じ穴の狢になり
結局自分が一番不幸って ヒトはみんな勘違い
初詣のおみくじの結果なんてき...

悲しさ・悔しさ・息苦しさの鼎立なんてもう沢山だぜ
より長く息をして より長く生きていたいだけ
矯めつ眇めつして物分りいい振りしたって所詮は仔犬
自分を客観視した奴からバタバタと死んでく そんな世界
幸せそうなあんたの顔は胸が焼けるほどに眩しいから
思わず背を向けてしまう僕は未だ惨めに泥啜ってる
悲し...

信じてた さかさまな この心の中泳いでは
蜃気楼に似た不透明 真下、視界には青
冷えたロビー 厚い硝子 分かつ、あなたと私の境
淑やかな海洋の孤独 ひとりで漂い待つよ
閉園後の水族園は飲み干したコップのよう
退屈な顔の私のとなり サメが宙を舞った
「さよならまた逢う日まで」 水槽に沈めた
その言霊が...

ああそうだ ここは何度目の夜だ
遅咲きのヒイラギ 部屋には灯り
瞬きの最期の白に
煉瓦を積んでキスをしよう
命の価値とはこの蠟のよう
廻る歯車
また今日も一段と嘘をつこう
あなたへの当てつけみたいに
いつの日かまた吐息を噤む夜と
軋轢も何もかも ふたりだけの秘密に...

よれよれになったインナーシャツ
チラチラと視界に映る
金平糖のようなあなた
甘い癖に棘があるのね
アンニュイなサンデイの
アフターヌーン 秒針がゆっくり流れる
まるでこの部屋だけがそうであるみたいに
プラトニックなんてよく言えるわね
三十秒間 あの日のキスを憶えてる？
真赤に塗れた青い声も...

レースカーテン靡く白昼夢
枯れた酸素 朦朧と
生きたりないから死にきれない
荒野の三叉路 どこへ行こうとも
完璧な庭を未完成にして
割れた肺胞 静かに潜る
息足りないから死んでもいい
トーテムポールに罅が走る
参考文献 爛れた帰路
しがみつく声とランデブー...

顔覗かせる八月に
向日葵は爽やかにはにかんで
透明になった心臓は
未だ四拍子を刻んだまま
瞬間突風を貫いて
三次元体 夏のホログラム
あそこに辿り着くまでの間は
もう一度 君に会いたいんだ
額に白い血が流れていく
水面の僕に姿形はない...

自殺者の先駆者って 誰のことなのか教えてよ
其奴を引きずり出したなら 全ての罪を負わそうぜ
既に剥がれ欠けたタイル 顰め面の花瓶が割れる
この街はいつだってその冷徹を忘れたりはしない
世界最期の日が来たって 世界最初の日があるって
言い訳はほどほどにしろよ 亡き者に告げる
全時代の神様 息絶えないで...

「したい」が降り積もる午後にふと思い出した
「見たい」が裸足に刺さって痛いと言った
“やりたいこと”だらけの日々に 埋もれた
“やれないこと”だらけの日々に 窶れた
だから私は
アイドライクトゥー！ ねえ、遊びたいの！
アイドライクトゥー！ ねえ、話したいの！
気丈に振る舞って 今は片手間にやらない...

六月の雨宿り 文庫本が鎮座するその室
古びた木材は湿り気 そして鳴くカラス 泣く本
夕暮れの陽は嘯き 大して凄くもない語彙力
露呈した低脳どもの残骸と 風切る魔女狩りの懺悔と
鈴鳴らし奥へ進む 古い本に囲まれる閉塞
息が詰まりそうな懐古心 そして汚濁物 抱く本
上昇気流に祈る手 王道を行かんとするノ...