止由

秋が過ぎてもどうか忘れないで
ご飯の中に散りばめた思い出たち
桜のようなあるいは夕焼けのような
紅く燃ゆるは 秋模様の恋心
育った海を離れて河口へ
流れに逆らう気分は上昇中
SHAKE SHAKE FLAKE FLAKE
もう一度　あの場所へ
SHAKE IT SHAKE IT BREAK BREA...

流れゆく　いつもの列車に
波揺られ　私は漂う
何もせず　過ぎ行く日々から
なんとなく　抜け出したくなって
窓の外を見たのは　映る海があまりにも
私を変えてしまうほど
無邪気に笑ったから
次のアナウンスで　鞄を手に取ろう
今日はズル休みだ　後ろめたさと踊ろう
携帯の着信も嬉しくはあったけど...

あ、っと思って　ふと、ね
はっっと思った　今日ね
また、あっちゅう間に　馬に
かっとなった　情ね
いちいち　一番ノリで
逃げ腰　睨みつける
散々　あったよ　これまでも
四の五の言わずに、はしゃぎたいし
ねぇ、どうしたの？　やんなっちゃったの？
洗濯物取り込まなきゃだけどね　まぁ、ね...

消えないよ ずっと
あの声が 温度が 匂いが 今でも
痛むんだ ずっと
胸の奥 届かない場所を焦がしている
駄菓子屋跡 錆びた鉄塔
夕暮れに鳴る誰かのピアノ
烏の群れ 微かな風
少し重なって離れた影
髪や爪は伸びていくのに
お腹が空き喉が渇くのに...

僕らいつだって普通が難しいね
息をするだけで精一杯で
萎れた生活に吹き込む春風のような
音をずっと待っている
世界を救うとか
運命を変えるとか
そんな大それた話じゃなくて
ほっと安らいだり
胸がキュンとしたり
そういうことの側にこんなメロディを...

この絶望も涙も
さして意味のないものさ
今日も世界は完璧で
弱さなんて許しはしない
だから血を吐きながら
無理矢理前に進むのさ
それしかないと思ったんだ
これしかないと縋ったんだ
奇跡の物語とか 夢はかならずかなうとか
そんな綺麗なもんじゃないさ...

指の隙間からすり抜けた光をもう一度
掴まえてやるんだ いつの日か
視線逸らさないで
世界は残酷なものだって
夢を語るなんて馬鹿みたいって
そんな言葉で邪魔されやしないさ
ほら歌うよ
諦めが悪いから今ここに立ってるんだ
潰れた希望も全部引き摺って歩いてきた
次元も超えてきっとその手を握るから...

「どんなに遠く離れていても
あの星のように側にいるからね」
「もしも世界が小さくなっても
この丘できっと流れ星を見よう」
私も少し、大人になったな
ちょっと背丈が伸びたみたいだ
嫌いな物も少なくなったな
あこがれや夢も失くしちゃったけど…
時計はまわる　同じスピードで
私も変わる　自立式じゃないけれ...