ことぶきの投稿作品一覧
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並んだ影を踏まないように
歩幅を揃えて歩いていた
いつの間にか離れる背中
歩幅を広げて追いかけた
いつか見たのはたぶん
置きっぱなしの昔話
滲んだ文字、輪郭
まだ思い出したくないままだ
振り落とされないようにしがみついて
見失わないように近くに居て...ゼロから
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いつかした後悔
引きずったまま
いつの間にか削れて
小さくなるように
間違えたこと
棄てられないまま
言えないことばかり
埃が積もっている
いつか憧れたあの人になりたくて
線をなぞる、わたしは重なれない...ただ、脚光を浴びたかった
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足りないことばっか、ひとつひとつを
繋ぎ合わせてやっと、ヒトの形をしている
分け合いっこしよう、二人なら
「足りない」もいつか少しだけになるから
短くなった鉛筆
転がして決める途中
目についてしまうよ
凹んだ爪痕が残ってる
生まれなかった、感受性...足りないことばっか
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わたしが目にした全部と
わたしが耳にした全部
いつの間にかわたしの一部に成って
それだけがアイデンティティだった
好きになったもの全部
好きだって言いたいのは
誤った感性だって気付かされた
人波に呑まれたまま
息を殺してさ、
ずっとここに居よう...誤感性
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そしたら、また会えるよって
誰にも見られないように
あの物語の隙間に一緒に隠れた君を
今日も待っているのだ。
このまま君を連れ出せたら。
また悪い夢を見ている
すこし前まで居た気がするような
その温度をなぞる
いつからこうしてる?
どうやら君の物語は...落景より君へ
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あいつが嫌い。
そいつも嫌い。
でも一番嫌いなのは自分だったって。
虚しいよな。
何の為に生きてるのか分からなくなったって。
生きていかなくちゃいけない。
やりすごさなくちゃいけない。
いつか来てほしいと
願うばかりで何もしないじゃんか!
わたしは何処にも居ない!...分からない
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おもむろに話を始めた
君の温度すら溶けてしまいそうな
うだる夏の隅っこに腰かけて
やっと見つけた秘密の場所で肩を寄せて
僕ら、思い出に迷い込んだ
ラムネ瓶の中の
取り出せないビー玉みたいだね
君の思ってたことも別れ際言いかけたことも
結局教えてくれなかった
戻れない日々、日々を願うのは...夏影を見ている
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空っぽだったんだ。ねえ
抱き締めてたのは
ひび割れから中身が少しずつ漏れるように
大切にしてたわたしのことも
見失ってしまうよ。
思ってたより、ちょっと
難しかったんだ、ただ
平気な顔で毎日をやり過ごしていくことが
張り付いたのは嘘の笑顔だ
安全地帯だと思ってたのは、...ワライカタ