夜烏

アーティファクト
現世でも　　夢でもなく
此処は世界　君の世界
囁かせて　　曝け出して
私はそう　　君の本性
蕩けるほど　甘い蜜で
その理性を　焼き払えば
可憐しくて　悄らしくて
この姿が　　その姿さ
妄想して　　空想して...

６重のオブラートに包んで
君にラブレターを送る
迷宮入りのYOU'VE LIAR
上手な歌だねと褒められた
ぐしゃぐしゃに丸め潰して
僕のラブレターを埋める
ミミズに笑われるのを恐れ
掘り返して火をつけた
新着メールはありません　はぁ？
そんなのあんまりじゃありません？...

君はとっても生きづらそうだ
いつも背筋を凛と伸ばしてる
意地悪されても知らんぷりで
傷つく事があっても隠してる
本当はとても優しくて
でも意地っ張りな君のこと
他の誰も知らないとしたって
実はこっそり見てる僕がいる
もっと近くにいたくなる
そのおひさまの世界に足を踏み入れて...

カネナルリラ　カナルリラ
あなたと私は　カネルリラ
カネナルリラ　ルリカネラ
今日も一日　ルリカネララ
カルネラルリ　リリカネリ
時に悲しく　カネリリル
カルネラルリ　リリカネリ
回り続ける　カネリリル
泣きたいほどに　カネリルカ
心躍るよ　カネリラルリリ...

【月世界が咲かない】
自分を株分けできるなら
腐れたこの根を捥ぎ取って
記憶の欠けらも残さずに
真っ白なまま会いに行けるのに
異世界への片道切符
名前も知らない僕を乗せて
深い眠りの向こう側から
その夢のあとさきを教えて
何千通りの失敗作をゆりかごに...

【鎌風】
水景の山吹に紛れ込んで
ヒスイのように尖る瞳の先
惚けた背に斬りかかる鎌風
研がれた刃に笑みを映していた
蛙鳴も蝉噪も切り裂かれて
轟く飛沫に惑う水鳥
嬌笑に気付き見上げた君が
濡れた袖を捲り走り出した
鬼さんこちらと言わぬばかりに...

【アンチテーゼ】
どうにでもなっちゃえば
期待なんてしてないもん
そうやって幾つの未来を
死に至らしめたでしょう
やりたいことが見つかるまで
やりたくないからって言いわけて
存在してることにさえ自信がない
当然です
奇跡をくださいなんて言えるはずもない...