タグ「巡音ルカ」のついた投稿作品一覧(157)
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ねえ先生、知っていますか。
どんな人間にも守りたい存在があるんです。
それは形のあるものとは限らないんです。
例えば色褪せた思い出。
目を閉じればいつでも大切な人に会えるんです。
でもそうすると、少しだけ寂しくなります。
やっぱり会いたいんです。
私にとっての守りたい存在。
私はあの時、それを伝えら...【がくルカ】Liar
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「盗まれた紙は・・・」
執事は嘆く。
「何処にあるのでしょう?」
メイドは悩む。
「Hurry hurrY!!」
少年人形は急かす。
「あっちへ?こっちへ?」
主人は迷う。
「ネエ、怪シイ手紙ガ」...Twilight ∞ nighT 3【自己解釈
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日を重ねるごとにわからなくなる。
年月が流れるほどに理解ができなくなる。
こんな感情が存在する、その理由に。
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彼女に出会って、考え方が変わった。
同年代の人間とまとめられて、「いいから先生の言うことを聞きなさい」と馬鹿げた常識と知識を詰め込まれた、あの学校という空間が大嫌いだった。...Memoria --『Fantasia』--
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「じゃあ、私帰りますね!」
鞄、もとい学校のスクールバッグを肩にかけてそう告げたミクちゃん(ドジっ娘)。
その言葉を聞いて、ルカさんとミクさん(歌姫)は驚いたように目を丸くした。
「そんな! ゆっくりしていけばいいのに! 私同じ初音ミクとしてもっともーっと話したいところだったのに!」
「それにこれと...ヴォカロ町へ遊びに行こう 13【コラボ・ゆ】
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「さあ、跪きなさい」
愚かな王女の――いや、少女の話をしましょう。
絶対の権力を持っていたがために、あっけなくその首を落とされた彼女の話を。
昔々、とある大きな国がありました。
そこは「黄ノ国」と呼ばれていました。なんでそう呼ばれていたのかは正直よくわかりません。
その国に、一人の王女様がいました。...【七つの大罪】リリアンヌと楽しい日常【二次創作】
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嘘つき。
約束したのに。
どうして。
あなたは、……。
瑠花様へ
あなた様がこれを読んでいるときには、私はもうお傍にはいないことでしょう。
あなた様は私がいなくなったことを気にしておられないかもしれない。ですがどうして私がこの家を離れたか、それだけはどうしてもお伝えしたいのです。身勝手は承知の上...【がっくん誕】約束の地
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彼女は今日もベルスーズを訪れていた。
カウンター席に座り、雑誌を広げてそれに目を落としている。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
声をかけると、彼女―芽衣子は振り返って私の姿を一目見て、ため息をついた。
「あんたならわかるでしょ?いつものよ」
「かしこまりました。アイスコーヒーをお一つですね」
「違...【カイメイ】Distance【Ⅲ】
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「ねえルカちゃん、誰のせいでお兄ちゃんはあっちに行っちゃったのかな」
遊びに行った帰り道、私は彼女と昔話をしていた。
今はもう、遠いどこかへ行ってしまった兄のことを、
彼女はどう思っているのか―――それを確かめたくて。
「そんなの、今じゃ分からないわよ」
目を逸らしながら回答を述べる彼女は何を考えて...「Front side」
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「あー楽しかった!」
久しぶりに休みがとれたある日の帰り道、私は友達と話していた。
「いやあカラオケなんて数年ぶりだったからすっごい楽しかった!」
「それはよかった」
「でもルカちゃん、あんな歌も歌うんだね?なんだか意外だなあ」
「そう?割といろいろ聞くからさ」
彼女が言っているのはおそらく、私が選...「Both sides」
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『I am my beloved's. His desire is toward me.』
「今日から君の担当になる神威だ」
それは偶然か必然か。
教育実習としてやってきた学校で、私は先輩と再会した。
彼は私の高校時代の先輩。
私と入れ違いに学校を卒業し、私の入っていた美術部にOBとして度々顔を出し...【がくルカ】Respect
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あの後神威さんは意識を失って倒れた。
補正が効いているにも関わらず、出血が多すぎるという理由で。
で。
『本っ当に、ごめんなさい!!!!!!』
現在、改造専門店『ネルネル・ネルネ』本店でございます。
簡潔に状況を述べますと、ルカさんが神威さんに土下座してます。
……え。
「私、何があっても二人を守れ...ヴォカロ町へ遊びに行こう 11【コラボ・ゆ】
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「はーいじゃあ休憩!」
5月23日。
撮影で張り詰めていた空気が一気に和らぐ。
その場に座り込みたいけど生憎今は衣装(しかも制服)、汚れたりしてはいけないので立ちっぱなしである。
「ふう」
持参した水筒を手に取る。
ちなみに中身は麦茶。
暑い時期に飲むのがすごい好き。
現在、一番長いシリーズの撮影中...【がくルカ】Segreto
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どうしてなのか
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「ねえルカ、最近様子がおかしいよ?」
毎日投げかけられるその質問。その言葉から考えるに、メイコやグミちゃんが私を心配してくれているのかもしれない。でも、でもさ。私の価値観は、心は、歪んでしまった。
「現実が重過ぎるよ……!」
あの日、あの時。私が盗み聞きし...【がくルカ】memory【28】
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「私の仕事場に行きたいって!?」
ルカさんが目を丸くしてこちらを見つめる。
「どうして!? ゆっくり観光してればいいのに」
「その観光は昨日十分したからな」
「それに、なんだか今日嫌な予感がするんです。何かとんでもない事件が起きそうな…」
こういうときの私の勘って、三割ぐらいの確率であたる。
だから...ヴォカロ町へ遊びに行こう 9【コラボ・ゆ】
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「しかし、凄い町だな」
私がロシアンさんの話を聞き終えると、神威さんがぽつりと呟いた。
「え?けっこう普通だと思いますけど…」
「いや考えてみろよ。一日にこんなに事件が起きる町普通じゃないだろ」
「確かにそうですけど…」
「ま、こんな世界の町だからね…って、いいところなかったの?」
「事件とかそっち...ヴォカロ町へ遊びに行こう 7【コラボ・ゆ】
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俺は夢を見ていたのかもしれない。
全ての出来事が夢だったのなら、狂気に呑まれることもなかっただろうに。
だがどれだけ足掻こうが、俺はもう壊れすぎていた。
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外に出ると雨が降っていた。
ここに来たときは、空模様は怪しくなかったのに。
僅かに浮いている雲の間から見えていた太陽は、すでにそ...Memoria --『Traumerei』--
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彼の話を聞いている間、私は周囲の様子を伺っていた。
月の光は次第に弱さを増していき、雲に隠れれば暗闇に包まれた。もう永遠に朝が来ないのではないか。そんな錯覚に襲われるほどに、夜は世界を覆っていた。
街に降り注ぐ雨は、今年降った中で五本の指に入るほどの豪雨へと変わり果てていた。このペースだと、あ...夏の灯火 ―下―
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ロシアンさんの背中に乗って街の上を移動するのに数秒。
驚いている間に、イベント会場とやらに着いたようだ。
『ほら、着いたぞ。さっさと降りぬか、無駄に力を使いたくないのだ』
「あ、あぁ、すまない」
十数秒前にも似たようなやり取りをしたような。
いや、あなたたちにとっては普通であろうこの光景は、私たち一...ヴォカロ町へ遊びに行こう 5【コラボ・ゆ】
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転移された先でまず見たものは、ごく普通の町並みだった。
わけではなく。
「…ここ、どこだ?」
町外れの、寂れた…町?
いや、町かな。うん。
「誰もいませんね」
キョロキョロと回りを見回す。
確かマスターとターンドッグさんの話では、「ルカさんとロシアンを迎えに行かせるからよろしく☆」だっけな。
…うん...ヴォカロ町へ遊びに行こう 3【コラボ・ゆ】
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「…えぇ。はい。じゃあ、お願いしますね」
部屋を出てケータイを手に取る。
それから、メールの新規作成画面を立ち上げ、二人へ一斉送信する。
一斉送信機能って便利だよね。
だがしかし、私はほとんどこの機能を使ったことがないぜ!
そして、約一時間後。
「…あの、ゆるりーさん。お客さんなんですが…」
私の部...ヴォカロ町へ遊びに行こう 1【コラボ・ゆ】
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残された時間で
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「ふわぁ~、眠い……」
大きく伸びをしながら、欠伸をする神威先生。彼が無事退院して学校に帰って来てから、二週間ぐらい経つ。
それまで退屈に思っていた国語の授業も、ようやく楽しく思えてきた。それに代理で教えていた先生の授業、全然面白くなかったし。元々国語が苦...【がくルカ】memory【27】
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理解できない何かに。
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「調子はどうですか?」
扉をノックすると返事が聞こえる。病室に入ると、中は甘い香りで満たされていた。ストレートに言えば、すごく花のにおいがする。これがスギ花粉とかだったら、一部の人は耐えられないんじゃないかな。
この部屋の主である神威先生(休業中)は...【がくルカ】memory【26】
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夜の街。雲に覆われた街は、冷たい豪雨に襲われていた。耳を澄ませば、雷の音だって聞こえてくる。
深夜に響く雨の音は、大太鼓をひたすら叩き続けるかのように、鳴り止まないまま。
時刻は深夜二時。さしている傘の上から、ごうごうと激しい音が聞こえてくる。
暗すぎる夜。強すぎる雨。激しすぎる風。こんな条...夏の灯火 ―上―
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今日も目が覚めれば、現実が始まる。
平和に見えるこの世界は、案外住みにくい環境になっている。
そんな環境で生きていくには…
「…神様なんて、いるのかな」
水曜日の朝、君は独り言を呟いた。
視線は、前の席。つまり僕の席に向けられている。
“神様、か。いたら面白いかもね”
そう返事したくても、君に僕の声...【がっくん誕】Fragment
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白雪姫、という話を皆さんはご存知ですか?
誰もが知っている有名な話です。
…え?いえいえ。某夢の国のほうの白雪姫ではありませんよ?
ええ。そう、童話のほうですよ。僕が言ってるのはそれなんですよ。
きっと皆さんご存知だとは思いますが、白雪姫はグリム童話のお話なんですね。
それで、本当に最初の話はちょっ...ボカロで童話やってみた 前編【白雪姫】
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彼女ははじめから気づいていたらしい。
自分が異端な存在だったということに。
幼い頃から独りぼっちで。
常に周りから孤立していて。
誰からも期待されなくて。
何も持っていなくて。
彼女から話はできなかった。
話題を見つけることもできなかった。
たまに話しかけてくる友達は数少なく、口数も少なかった。
聞...花弁の舞う日々【かなりあ荘】
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街を彩る白い雪。
それを溶かし、暖かな春の優しさが街を覆う。
風が、微かに頬をかすめていく。
そんな日がいつか、この場所にも訪れるのだろう。
春を望む人々の気持ちを、冷たい雪が固めていく。
その雪は、人々の心に何かしら影響を与える。
そして、それは稀に、孤独を生み出す。
決して他からは考えられないよ...【がくルカ】Simpatia
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「救いが欲しけりゃ、金を出せよ」
私はかつて、沢山の被告人にそう言った。
哀れだったのだ、私も、犯罪を犯す者も…世間も。
いくら金を積んでも罪は消えないというのに。
お前の人生は、法廷の主である私の気分次第。
もっと金を出すというのなら、どんな極悪人でも無罪にしてやる。
金こそ全て、そういうふうに考...【七つの大罪】悪徳裁判官と自由法廷【二次創作】
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ただ温もりが欲しくて
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「私が悪かった……?」
私が変わらなきゃいけないんだろうか。でも、そう思う度に、怖くなるんだ。私が変わっても、彼の笑顔は見れないんじゃないかって。私が変わったところで、記憶や時間は、私達にはどうすることもできないんだ。
私は、病院の屋上に来ていた。転...【がくルカ】memory【25】
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曖昧な記憶の中で
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「巡音さん……?」
今、目の前の彼は何を言っているのだろう。だって、確かにあの時まで…彼は、私を「ルカ」と呼んでいたのに。「巡音さん」なんて、一度だって呼んだことはなかった。
「何故……君が、ここに」
「あなたの看病ですよ。先程も言いましたけど、あなたは事...【がくルカ】memory【24】
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全部、私のせいだ
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『グミちゃん……先生が……』
通話中と表示されたケータイからは、ルカちゃんの悲痛な声しか聞こえなかった。私はその一言で、今起こっていることを理解した。ルカちゃんが『先生』とだけ言うのならば、それは私の兄――『神威先生』のことを指す。
「ルカちゃん? お兄ち...【がくルカ】memory【23】
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また宴が終わる。
夢のような時間は、短時間で終わりを告げる。
そして…暗い満月の夜は明ける。
空に朝日を映し出さないまま…
「…そろそろ時間だし、起こしてきたら?」
「はいはーい、すっごく面倒くさいけど行くねー♪」
「おい、お前メイドだろ。仕事はちゃんとしろ」
今日も執事と他愛ない会話をして、お客様...Twilight ∞ nighT 2【自己解釈】
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ごめん、無理みたいだ
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「ルカ、おはよう!」
メイコが元気よく挨拶してくる。というか、朝からそんなにテンションが高くて大丈夫なのか?
「まぁいいや……」
「え、私何かした?」
「いや、何もしてないよ。っていうか元気だねえ……」
メイコっていつもテンションが高い。常に私の二割...【がくルカ】memory【22】
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「私からの贈り物よ」
薬が入った小瓶を差し出し、私は微笑む。
何も悪いことなんかない。
すべて、この薬で忘れてしまえばいい。
せっかくなので、軽ーく説明とかしちゃいましょうか。
あらすじにまとめるとね、私は医者の娘なのよ。
でね、小さい頃からの仲良しの、カスパルっていう人と結婚したのよ。
政略結婚だ...【七つの大罪】眠らせ姫と秘密計画【二次創作】
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冬の雪は、静かに街に降り注ぐ。
寒さに身を震わせる人々の気持ちなど、何も知らずにただ舞い落ちる。
子供達は、白く冷たい雪で、はしゃいでいる。
大人達は、振り続ける雪など構いもせず、歩く速度を速めていく。
賑やかな街へ出かける気にもなれず、俺はただ窓を見ていた。
いや、正確には窓の外か――…まぁ、どち...【がくルカ】Snowy night