先輩
 
 
廊下を歩く。
いろんな扉があるが、どれもMEIKOさんのものではない。
会ったことないからどんな人か楽しみだ。
ミク姉は簡単に言うと『大酒飲みのドSなお色気姐さん』だって言ってたけど…。

「あれ…、行き止まりだ…」
「もう…、ここからも削除されちゃったのかな…。もう一回会いたかったな…」
「俺もだ…」
「私なんて会ったこともなかったのに…」
「俺も一目見たかったな…」
 
全員で肩を落とす。
 
「あ!一番最後の部屋、KAITO兄さんの部屋じゃない?」
「ホントだ!会ってみたいな!」
 

ちなみに、俺はKAITOさんにも会ったことがない。

ミクオさんがノックする。
 
「はーい」
 
ドアから顔を覗かせたのはマフラーが特徴的なとてもかわいらしいお姉さんだった。
 
「クオ君じゃない?もしかして、アンインストールされちゃったの?」
 
大きな目をミクオさんへ向けている。
 
「まあ…な」
「あれ?そっちの子たちは?ツインテールの子はクオ君の現実世界の子っぽいけど…」
「あぁ、KAIKO姉さんの言う通りミクは現実世界の俺だ。こっちの金髪の二人は女子がレンカ、男子がレンだ。あと、レンは現実世界のレンカなんだ」
「誰が来たの?」
 
奥の方から男の人の声がした。
 
「うん!さあ、入って入って!」
「「「「お邪魔しまーす」」」」
 
「いらっしゃい」
「KAITO兄さん!」
「ミ、ミク?何でこんなところに」
「アンインストールされちゃったんだって」
「そうだったのか…。まぁ、ゆっくりしていってね。アイスしかないけど」
 
何故アイス…?
 
「ここにもアイス売ってるの?」
「うーん、セルフアイスかな」
「そうね、セルフアイスね」
「ところで、そこの金髪の二人は?顔そっくりだけど双子?」
「違うよ。双子の片割れどうしで、右がレン君、左がレンカちゃん。レンカちゃんは反転世界のレン君なんだよ」
 
ミク姉、どっから持ってきたんだよその緑色のアイス…。

「ねえ、そういえばMEIKO姉さんっていつここからいなくなったの?」
「ちょうど二ヶ月ぐらい前かな。だから、計算すると、俺たちもあと一か月後には…」
 
重苦しい空気が俺たちを包み込む。
 
「KAITO兄さんのことだから大丈夫だよ。きっと」
 
ミク姉がこの空気を切り込んだ

「そうですよ」
「大丈夫だと思いますよ」
「KAIKO姉さんも絶対大丈夫だ」
「クオ君…」
「さて、こんなに人が集まったわけだ。アイスパーティをしよう!!」

さっきまでの重苦しい空気はなんだったのか。
KAITOさんだよな、重苦しい空気をつくりだしたのは…。
 
 
 
俺たちは冬なのにアイスパーティーを夜まで楽しんだ。
 
 
  
 

次回に続きます。


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

家族の消失 ―鏡音編⑥―

前回同様、亜種注意。
 

めーちゃんゴメンね…。
 
 
 
初音ミクの消失
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2937784

この小説の土台、および参考にさせていただいております。

閲覧数:362

投稿日:2012/04/13 19:05:40

文字数:1,170文字

カテゴリ:小説

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